心不全とは?高齢者に多い心臓の病気と在宅ケアのポイント
2025/03/07
高齢者に多い心臓病と在宅ケアのポイント
「最近、少し動くだけで息切れする」「夜、横になると息苦しい」といった症状がありませんか?それは心不全のサインかもしれません。心不全は高齢者に多く見られるこの病気は、生活の質を大きく低下させる要因になり得ます。しかし適切な治療やケアを行えば、在宅での生活を続けることも可能です。本記事では、心不全の原因や症状、治療法、そして訪問看護を利用するメリットや在宅ケアの工夫についてわかりやすく解説し、患者様やそのご家族が安心して生活できる環境を作るための情報をお届けします。心不全の理解を深め、在宅でのケアの質を向上させる手助けとなれば幸いです。
心不全とは?あなたの知らない心臓のトラブル
心不全とは、心臓が十分な血液を全身に送ることができなくなる状態を指します。心臓のポンプ機能が低下すると、体が必要とする酸素や栄養を十分に運ぶことができなくなり、さまざまな症状が現れます。高齢者の心不全の有病率は年齢とともに増加し、特に75歳以上の高齢者の約10%が何らかの形で心不全を抱えているとされています。
*高齢者に多い理由*
・加齢による心臓の機能低下
・高血圧や動脈硬化の影響
・糖尿病や腎臓病などの合併症
・生活習慣の乱れ(塩分の多い食事、運動不足、ストレス過多など)
心不全は慢性的に進行することが多いため、早期発見と適切なケアが重要です。
心不全の原因
心不全の主な原因には以下のようなものがあります。
1.高血圧:血圧が高いと心臓に負担がかかり、徐々に機能が低下します。
2.狭心症・心筋梗塞:心臓の血管が詰まり、血流が不足することで心臓の働きが悪くなります。
3.心筋症:心臓の筋肉が正常に動かなくなる病気です。
4.弁膜症:心臓の弁が正常に機能せず、血液の流れに問題が生じます。
5.不整脈:心臓のリズムが乱れることで、血液をうまく送り出せなくなります。
6.糖尿病:血糖値の管理が悪いと血管が傷み、心臓に影響を与えます。
7.生活習慣:塩分の摂りすぎ、運動不足、喫煙、飲酒などが心臓に負担をかけます。
心不全の症状
心不全の主な症状は以下の通りです。
・息切れ、呼吸困難:軽い運動や横になったときに息苦しさを感じる。
・むくみ:足や顔が腫れぼったくなる。
・倦怠感・疲れやすさ:ちょっとした動作でも疲れやすい。
・体重増加:体内に水分が溜まり、体重が急に増えることがある。
これらの症状が続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
心不全の治療
心不全の治療には、薬による治療と生活習慣の改善が重要です。
1. 薬物療法
・利尿剤:余分な水分を排出し、むくみや息切れを改善します。
・血圧を下げる薬(ACE阻害薬・ARB・β遮断薬):心臓の負担を減らします。
・強心薬:心臓の働きをサポートします。
2. 生活習慣の改善
・塩分制限:塩分を控えることで、体内の水分バランスを整えます。
・適度な運動:ウォーキングなどの軽い運動を継続します。
・禁煙・節酒:心臓への負担を減らすために重要です。
在宅ケアを支える:訪問看護の役割看護を利用するメリット
訪問看護の現場では3人に1人は心不全を患っている患者様がいらっしゃいます。患者様が適切な体調管理をすることは、症状の安定を図る上で欠かせません。訪問看護を活用すると、専門的な知識を持った看護師が患者様の個々の状態に応じた生活のアドバイスを行いうことで在宅での生活を安全に続けることができます。千葉県市原市にある当訪問看護ステーション「バナナリーフ」では、以下のようなサポートを提供しています。
・状態観察:日々の体調変化をチェックし、症状の悪化を防ぐ。
・内服管理:お薬の飲み忘れ防止や副作用の確認。
・緊急対応:急な体調変化にも対応。
・在宅酸素管理:呼吸困難がある方へのサポート。
・下肢浮腫のケア:心不全患者さんの多くが下肢のむくみを抱えています。保湿ケアや、マッサージ、弾性ストッキングの使用などで浮腫を軽減するサポートを行います。
・適切な運動:過度な運動量にならないように体調に合わせた内容を実施します。
・栄養管理:制限のある塩分や水分の管理を適切に行えるように一緒に支援します。
心不全悪化を予防し、患者様ご自身とご家族が安心して日常を過ごせるよう、訪問看護がしっかりとサポートします。
在宅ケアの工夫
心不全の患者さんが自宅で快適に過ごすためには、いくつかの工夫が必要です。
・塩分、水分管理:食事の塩分を控えめにし、水分の摂取量を調整。
・体重測定:毎日体重を測り自身の現状を知り意識すること、急な増減がないかチェック。
・適度な運動:医師の指導のもと、無理のない範囲で体を動かす。
・家族のサポート:症状の変化に気を配り、異変があればすぐに医療機関や訪問看護に相談。 ・
・塩分制限の工夫:
*だしや香辛料を活用:昆布やかつおだし、にんにくや生姜などで風味を補う。
*酸味を活用:酢やレモン汁を使うことで味にメリハリをつける。
*うま味を活かす:トマトやきのこ、玉ねぎのうま味成分を活用。
*食感を楽しむ:シャキシャキ、カリカリとした食感の食材を取り入れることで、満足感を高める。
これらの工夫により、心不全の悪化を防ぎ、安心して生活できる環境を整える手助けになります。
まとめ
心不全は適切な治療とケアを行えば、在宅での生活を続けることができます。訪問看護を利用することで、患者さんの体調管理や生活のサポートが可能になり、ご家族の負担も軽減できます。千葉県市原市の訪問看護ステーション「バナナリーフ」では、個々の状態に合わせたケアを提供し、「人生に触れる、心に寄り添ったケア」を実践しています。 心不全と向き合うために、日々の生活の工夫や医療のサポートを活用し、安心して暮らせる環境を整えていきましょう。