帯状疱疹の発疹と痛みに要注意!
2025/05/16
ある日、利用者様から「背中に赤い発疹ができてヒリヒリする」「痛みがだんだん強くなってきた」と相談を受けました。 確認すると、肋骨に沿って帯のように赤い湿疹が広がっており、帯状疱疹(たいじょうほうしん)の可能性が高いと判断し、すぐに受診を勧めました。
高齢者にとって、帯状疱疹は単なる皮膚のトラブルではありません。強い痛みや、その後に残る神経痛が長く生活に影響することもあります。 今回は、帯状疱疹の症状や注意点、早期発見と予防の大切さについて、訪問看護の視点からわかりやすくお伝えします。
帯状疱疹ってどんな病気?
帯状疱疹は、水ぼうそう(みずぼうそう)のウイルス(VZV:水痘・帯状疱疹ウイルス)が原因で起こる病気です。
子どもの頃に水ぼうそうにかかると、このウイルスは体の神経節に潜んだままになります。 加齢やストレス、病気などで免疫力が落ちたときに、再び活性化して神経に沿って現れるのが「帯状疱疹」です。
*主な症状
・体の片側に帯状に広がる赤い発疹や水ぶくれ
・発疹部位のピリピリ.ズキズキとした痛み
・微熱や倦怠感を伴うことも
発疹は体幹(胸・背中・腹部)に多く見られますが、顔や目の周囲、耳、脚にも現れることがあります。
なぜ高齢者に多いの?
帯状疱疹の発症率は50歳を過ぎると急増し、80歳までに3人に1人が経験すると言われています。
その理由は、加齢とともに免疫機能が低下し、潜んでいたウイルスが再活性化しやすくなるためです。
また、次のような条件があると発症リスクが高まります
・がんや糖尿病などの慢性疾患がある
・免疫抑制薬(ステロイドや抗がん剤など)を使用している
・強いストレスや心身の疲労が続いている
早期発見・早期治療が重要!
帯状疱疹は、発疹が出る前に「皮膚がピリピリする」「チクチク痛む」などの前兆がある場合があります。この段階で受診し、抗ウイルス薬の内服や外用薬を早期に開始することで、症状の悪化や合併症のリスクを軽減できます。
*受診のタイミング
・皮膚に違和感(ヒリヒリ・ピリピリ)がある
・片側に赤みや発疹が出てきた
・水ぶくれや強い痛みを伴う湿疹がある
「様子を見よう」で時間が経つと、痛みが強くなり、神経痛として長引くことがあるため、迷わず早めの受診をおすすめします。
帯状疱疹後神経痛とは?
発疹が治った後も、神経がダメージを受けて痛みだけが残る状態を「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼びます。
この痛みは:
・ズキズキ、ジンジンとした持続的な痛み
・衣類のこすれや風に触れるだけでも強い痛み
・数ヶ月から数年にわたって続くことも
高齢者ほどPHNのリスクが高く、QOL(生活の質)を著しく下げてしまいます。 そのため、早期治療と合わせて、できるだけ発症そのものを予防することが重要です。
予防のカギはワクチン接種
帯状疱疹の発症や重症化を防ぐためには、「帯状疱疹ワクチン」の接種が有効です。
50歳以上の方が対象で、次のようなタイプがあります:
● 弱毒生ワクチン(1回接種)
・接種費用が比較的安い
・有効期間が5年程度とされる
● 不活化ワクチン(2回接種)
・効果が高く、免疫が低下している方にも接種可能
・効果の持続も長い(9年以上)
市町村によっては、費用の一部助成制度を設けている地域もあります。
「何歳から受けられる?」「持病があるけれど接種できる?」など、気になることがあればかかりつけ医や訪問看護師に相談してみましょう。
訪問看護でできる支援
帯状疱疹は皮膚の病気に見えますが、実際には神経や全身状態にも影響するため、多角的なケアが求められます。
訪問看護では、以下のような支援を行っています
・発疹や痛みの初期サインに気づく観察
・患部のスキンケアや保清のサポート
・痛みへの対応(冷却や内服確認)
・神経痛の緩和に向けたアドバイスや医師との連携
・ワクチン接種に関する情報提供
・心のケア(不安や不眠への対応)
あるご利用者様は「早めに看護師さんが見つけてくれて、ひどくならずに済んだ」「痛みのケアまで丁寧にしてくれて助かった」と話してくださったこともありました。
ご家族ができること
帯状疱疹は本人が「ただの皮膚トラブル」と思って放置してしまうこともあるため、ご家族の気づきがとても重要です。
・「片側だけに赤みや発疹が出ていないか」
・「今日は痛そうにしていないか」
・「夜眠れているか」
こうしたちょっとした声かけや観察が、早期発見につながります。 また、ご家族にもワクチン接種の相談を勧めることで、家庭内での予防意識を高めることもできます。
帯状疱疹は、早期の気づきと対応が何よりも大切な病気です。 そして、高齢者にとっては生活全体に影響を及ぼす“見えない痛み”にもなり得ます。 訪問看護では、皮膚の観察だけでなく、その背景にある体調や免疫力の変化、心の不安にも寄り添うケアを提供しています。 「最近元気がないな」「痛みを我慢していそう」そんなサインを感じたら、ぜひ専門職に相談してください。 市原・木更津エリアで帯状疱疹やその予防に不安がある方は、当ステーションにお気軽にご相談ください。


