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ストマと暮らす日常を支える~訪問看護ができること~

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ストマと暮らす日常を支える~訪問看護ができること~

ストマと暮らす日常を支える~訪問看護ができること~

2025/06/09

~安心して暮らせる毎日のために~

「ストマ(人工肛門・人工膀胱)」という言葉を聞いたことはありますか? 病気やけがなどで排泄機能が損なわれた際に、腹部に人工的な排泄口をつくる処置を「ストマ造設」といい、適切なケアを行えば、多くの方がストマを持ちながら自宅での日常生活を続けることができます。
とはいえ、初めてストマを持つことになった方やご家族にとっては、見た目の変化や手技の難しさ、生活の不安など、心身ともに戸惑いが大きいものです。
訪問看護の現場では、利用者様が安心して快適に暮らせるよう、日々のストマケアを丁寧に行っています。今回は、ストマの基礎知識から、訪問看護で行っているケアのポイント、ご本人の生活の質(QOL)を支える視点まで、わかりやすくご紹介します。

ストマとは?どうして必要になるの?

ストマは、消化管(便)または尿路(尿)の排泄を目的として、腸や尿管の一部を腹部に出し、排泄物を体外に導くための人工的な出口です。
*ストマ造設の主な理由
・大腸がん.直腸がん:がんによる切除で腸の通り道を変える必要がある場合
・クローン病.潰瘍性大腸炎:炎症性腸疾患で腸の機能が失われた場合
・事故などによる外傷:腸や膀胱が損傷した場合
・先天性疾患:生まれつき腸や尿路の異常がある場合
・神経疾患に伴う排泄障害:脊髄損傷、パーキンソン病など神経系の病気により排泄機能が低下した場合
ストマは治療の一環であり「生活を守るための選択肢」です。はじめは戸惑いが大きくても、適切な支援によって自立した生活を送ることができます。

ストマの種類と特徴

ストマには主に下の2種類があります。
●消化管ストマ(人工肛門)
・コロストミー:(大腸ストマ):便は形成されており、1日1〜2回程度の排泄
・イレオストミー:小腸ストマ):水様〜泥状便。脱水・電解質管理が必要
●尿路ストマ(人工膀胱・ウロストミー)
腎臓から出た尿を体外に導くストマです。常に尿が出続けるため、装具の密着性と清潔保持が特に重要です。
ストマの種類に応じて装具の選び方や交換頻度が異なり、個別に調整が必要です。

訪問看護師が見るストマのチェックポイント

訪問時には以下のような点を丁寧に観察しています。
● ストマ本体の状態
ストマの状態を適切に観察し、異常がないか確認することが重要です。
・色:健康的なピンク色か、壊死や出血がないか
・形や大きさ:陥没や脱出がないか
・排泄物:回数、量、性状(硬さ・におい)に変化はないか
●周囲皮膚の状態
・発赤、びらん、水疱、かゆみや痛みの有無
・面板の密着具合、ずれや浮きがないか
皮膚トラブルは早期に対応することで重症化を防ぐことができます。

スキンケアと装具管理の基本 

快適にストマ生活を送るためには、以下のようなスキンケアと装具管理が大切です。
・面板を剥がす際は剥離剤を使用し、皮膚を傷めないようにゆっくり剥がす
・ストマ周囲の皮膚を泡立てた石鹸で周囲をやさしく洗浄(強くこすらない)
・洗浄後は皮膚をしっかり乾燥させ、装具の密着性を確保
・装具はストマのサイズにぴったり合うようにカット
・皮膚保護剤やパウダーも適切に使用する
「ぴったり貼る、でも締めつけすぎない」ことがポイントです。

セルフケア支援とご家族へのサポート

訪問看護では、看護師のケアに加え、セルフケア支援やご家族のサポートも重視しています。
● セルフケアを促すポイント
・装具の交換手順を一緒に確認する
・手元の不自由さがある方には道具の工夫を提案
・ご本人の不安に丁寧に寄り添いながら、「できた!」の体験を重ねる
● ご家族へのサポート
・「排泄物を見ても驚かないでいられるようにしたい」
・「漏れてしまったときの対応方法を知りたい」
・「旅行や外出をあきらめたくない」
そんなお気持ちに寄り添いながら、生活にストマがなじむような支援を大切にしています。

ストマにまつわる困りごとと対応例

ストマを持って生活される中で、利用者様やご家族からよく聞かれるのが「日々のちょっとした困りごと」です。
ストマは正しくケアをすれば安定して過ごせますが、皮膚の状態や体調、生活スタイルの変化によって、トラブルが起きることもあります。
ここでは、訪問看護の現場でよく見られる困りごとと、その対応のヒントをご紹介します。
● ストマの脱出・陥没
ストマが通常より突出してしまったり、逆に凹んでしまう状態です。装具が合わず漏れやすくなったり、皮膚トラブルの原因になることもあります。
*対応のヒント:
・ストマの形状に合った装具を選ぶ
・腹圧がかかりすぎていないか確認
・医師やWOC(皮膚・排泄ケア認定看護師)への相談も検討
● 周囲の皮膚トラブル(かぶれ・炎症)
面板のずれや排泄物の漏れ、頻繁な装具の交換によって皮膚が荒れてしまうケースです。痛みやかゆみを伴うこともあり、装具の装着に支障をきたします。
*対応のヒント:
・面板のサイズや形の見直し
・剥離時のスキンケアを丁寧に行う
・皮膚保護剤やパウダーを併用する
・装具の貼り替え頻度を調整する
● 便漏れ・尿漏れ
「漏れが不安で外出ができない」といった心理的な影響も大きく、QOL(生活の質)を大きく左右します。
*対応のヒント:
・装具の密着状態を確認する
・面板の貼付前に皮膚をしっかり乾燥させる
・ストマサイズの再計測とカットサイズの調整
・交換タイミングを記録し、早めの対応を心がける
● においへの不安
排泄に関するにおいの悩みは、利用者様にとって非常にデリケートです。特に食事内容や装具の管理によってにおいが強く感じられる場合もあります。
*対応のヒント:
・消臭効果のあるパウチや消臭剤を活用する
・食事でにおいを軽減する工夫(例:ネギ類や魚を控える)
・室内の換気や空気清浄機の使用を併用する 
このようなトラブルや不安は、誰にでも起こりうることです。
訪問看護では、「困ってから対処する」だけでなく、「困る前に整える」サポートを大切にしています。どんなに小さなことでも気軽に相談できる関係性を築くことが、ストマと共に安心して暮らす第一歩です。

ストマがあっても安心できる暮らしを

ストマ管理は決して特別な医療行為ではなく、暮らしの一部として「ふつうの生活を続ける」ための一つの手段であり習慣です。
私たち訪問看護師は、
・丁寧な観察と記録
・快適さを重視した装具の調整
・ご本人のセルフケア支援とご家族の伴走
・心のケアを含めた全人的な支援
を通じて、ストマと共に暮らす皆さんの安心を支えています。どんな小さな不安でも、どうぞ遠慮なくご相談ください。私たちは、「その人らしい暮らし」のそばで、ともに歩んでいきます。

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