株式会社バナナリーフ

「急に怒りっぽくなった」のはなぜ?~環境・脳・薬…感情の変化に戸惑うご家族へ~

お問い合わせはこちら オフィシャルサイト

「急に怒りっぽくなった」のはなぜ?~環境・脳・薬…感情の変化に戸惑う家族へ~

「急に怒りっぽくなった」のはなぜ?~環境・脳・薬…感情の変化に戸惑う家族へ~

2025/06/13

「最近、父が急に怒るようになってきて…」 「ささいなことでイライラしたり、突然大声を出したり…」 「以前は穏やかな人だったのに、どうして…?」 ご家族のそんな戸惑いや不安、 私たち訪問看護師も、在宅の現場でたくさん耳にしています。今回は、ご高齢の方に見られる“感情の変化”の背景と、そのときにご家族がどう向き合えばよいか、訪問看護の視点からやさしくお伝えしていきます。

「怒ってばかり」ではなく「怒りやすくなっている」

まずお伝えしたいのは、 “性格が変わった”わけではないこともあるということ。 怒る、イライラする、すぐ機嫌が悪くなる…。それはご本人が“わざとそうしている”のではなく、身体や脳の変化の影響で「感情がコントロールしづらくなっている」状態かもしれません。
「最近よく怒るようになった」と感じたら、 まずは責めるのではなく、背景にある原因を一緒に探していくことが大切です。

感情が不安定になる原因とは?

① 脳の変化(認知症や脳血管障害など)
・認知症の進行により、感情のブレーキがきかなくなる
・脳梗塞や脳出血の後遺症で感情の起伏が激しくなることも
② 薬の影響
・一部の薬(ステロイド、睡眠薬、抗うつ薬など)が、イライラや不安を強める副作用をもつことがあります
・新しく始まった薬や、量が変わった薬が影響している可能性もあります
③ 体調不良や痛み
・言葉にできない不快感(頭痛、便秘、尿意、めまいなど)が怒りとして現れることがあります
④ 環境のストレス
・音がうるさい、部屋が寒い/暑い、生活リズムの変化
・デイサービスなど外出の疲れや人間関係のストレスも影響します
⑤ 精神的な不安・孤独感
・自分の思うように体が動かない
・周囲との会話がうまくいかない
・「もう迷惑をかけてばかり」と自分を責めてしまう
これらは、ご本人が自覚して伝えられないまま、怒りという形で現れることも多いのです。

怒りやすくなった人の“心の奥”にあるもの

私たちが訪問で関わる中でよく感じるのは、「怒っているように見えて、実はとても不安で傷つきやすい」ということ。
・自分の状況がうまく理解できない
・誰にもわかってもらえない
・思ったことが伝わらない
・生活の主導権を奪われたと感じる
こうした不満や戸惑いが、言葉ではなく「怒り」という形であふれ出してしまうのです。
「最近、怒ってばかりで困る」というとき、 実はその人の心の中で、「助けて」「わかってほしい」と叫んでいることがあるのかもしれません。

ご家族がつらいと思ってしまうのは当然です

ご本人の変化に驚き、ショックを受けるのは、ごく自然なことです。
・「どうしてこんなふうになってしまったの…」
・「前はあんなに優しかったのに」
・「自分の対応が悪かったのかな」
そんなふうに、自分を責めてしまうご家族も少なくありません。
けれど、怒りや感情の乱れは、決してご家族のせいではありません。必要以上に「うまくやらなきゃ」と思わなくても大丈夫です。
私たち訪問看護師も、そうしたご家族の気持ちに寄り添いながら、 一緒にできる工夫を考えています。

訪問看護ができること

◆ 感情の変化の背景を探る
・最近の生活の変化
・新しい薬の有無
・体調や睡眠の変化
・食欲や排泄の様子
こうした情報を一緒に整理しながら、医師やケアマネジャーに共有して、必要な対応につなげます。
◆ 本人の“怒り”を受け止める関わり
・無理に注意したり否定したりせず、「不安だったんですね」「今日はつらい日かもしれませんね」と声をかけます
・看護師だからこそ受け止められる“強い感情”もあります
◆ ご家族の気持ちに寄り添う
・「それはつらかったですね」
・「ご家族が悪いわけではないですよ」
・「怒る回数が減るように工夫してみましょう」
ご家族のつらさを共有し、少しでも心が軽くなるようサポートします。

ご家族ができる“ちいさな工夫”

怒っているとき、無理に落ち着かせようとすると、かえって感情が高ぶることもあります。そんなときは、次のような対応が役に立つことがあります。
・距離をとる(別室に行く、そっと離れる)
・短くやさしい言葉で話しかける(例:「大丈夫ですよ」「今はゆっくりでいいですよ」)
・怒る前の“きっかけ”をメモしておく(パターンが見えてくることがあります)
・自分が疲れているときは、無理に向き合おうとしない
そして何より、つらさを抱え込まないことが一番大切です。

私たちのステーションでも、感情の変化に悩むご家族からのご相談を数多く受けています。
・「急に怒るようになって困っています」
・「ケアが難しくなってきて、限界を感じています」
・「自分が責められているようでつらい」
そんなお声に、看護師がそっと寄り添い、 一緒に“今できること”を探していくお手伝いをしています。
・「前はあんなに穏やかだったのに…」
そんな寂しさを感じている方にこそ、伝えたいことがあります。 感情の変化は、性格が変わったのではなく、「変わらざるを得ない環境の中で、必死に生きている姿」でもあります。 ご本人の中に、変わらず残っているやさしさや温かさを、 どうか見失わないでください。そして、つらくなったら、遠慮せず私たちに頼ってください。 感情の変化に向き合うあなたの姿を、私たちは決して一人にはしません。

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。