「薬が多すぎて管理が大変…」と感じたときに知ってほしいこと
2025/07/28
「毎日こんなに飲まなきゃいけないの?」
「どれをいつ飲めばいいか分からなくなる…」
高齢の方や慢性疾患のある方にとって、“薬の量が多い”ことは大きなストレスになります。
訪問看護の現場でも、ご本人やご家族から
「薬の管理が本当に大変で…」という声をよく聞きます。
今回は、「薬が多すぎるかも?」と感じたときに確認したいポイントと、
無理なく続けるためのコツをお伝えします。
なぜこんなに薬が増えてしまうの?
薬の量が増える背景には、いくつかの要因があります。
・複数の病気を抱えており、それぞれに治療が必要なケース
・受診する医療機関が複数に分かれていて、同じような薬が重複している
・以前からの薬が“何となく”継続されていて、見直されていない
薬が多いことが悪いわけではありません。
ただし、「本当に今の体に必要な薬か?」は、定期的に見直すことが大切です。
チェックしておきたい3つのポイント
「多すぎるかも…?」と思ったら、以下の視点で見直してみましょう。
① 薬が“重複”していないか
同じ成分の薬が別名で処方されていることもあります。
複数の病院にかかっている場合は、お薬手帳での一元管理がとても大切です。
② 飲み忘れや飲み間違いが起きていないか
薬の数が多いほど、「うっかり」が起きやすくなるのも現実です。
「飲んだっけ?」を防ぐためのチェックリストや、薬の仕分けケースなども活用できます。
③ 本人の状態や生活スタイルに合っているか
「1日4回飲む」という処方でも、生活リズムに合わず続けるのが難しいこともあります。
→その場合は医師と相談して回数を調整することも可能です。
薬を続けるための「仕組みづくり」
薬が多くても、「管理しやすい工夫」があれば続けやすくなります。
●曜日ごとの仕分けケースや1回分ずつの分包薬を活用する
●朝・昼・夕・寝る前のラベルを貼るなど、視覚的なサポートを取り入れる
●誰かと一緒にチェックする「声かけタイム」をつくる(家族・看護師など)
とくにご家族が管理している場合、
●飲ませたと思っていたら実は忘れていた
●朝と夜の袋を取り違えた
●余った薬を保管していたが、どれがいつのものか分からなくなった
といった“介護あるある”ミスが積み重なることも。
定期的に医療者と確認する時間をつくることで、こうしたミスも予防できます。
薬局・薬剤師とも上手に連携しよう
意外と見落としがちですが、かかりつけ薬局・薬剤師との連携も、薬の管理には欠かせません。
・「この薬はなぜ必要なのか?」
・「副作用が出ていないか?」
・「1回飲み忘れたらどうしたらいいのか?」
といった、医師には聞きにくい細かいことも、薬剤師なら気軽に相談できます。
また最近では、薬剤師が自宅を訪問して服薬状況を確認する
「在宅薬剤管理指導」を受けている方も増えています。
訪問看護と薬局が連携することで、
「誰がいつ確認したか」が共有でき、支援の精度が高まります。
「やめてもいい薬」はないか、主治医と相談を
「こんなに飲んで大丈夫なの?」と不安を感じたら、
まずは主治医に相談するのが第一歩です。
医師は必要性を判断する立場ですが、
意外と「本人が何も言わないから続けていた」という薬もあります。
「毎日大変」
「飲み忘れることが増えてきた」など、
実際の困りごとを伝えることが、薬の見直しのきっかけになることも多いです。
場合によっては、
・成分が似ている薬をひとつにまとめる
・頻度を減らす
・一部を中止する
といった調整が可能になるケースもあります。
支援者から見た“薬が多い人”のリスク
薬の管理がうまくいかないまま放置してしまうと、さまざまなリスクにつながります。
●飲み間違いからの低血圧・意識低下(低血糖・血圧低下など)
●飲み忘れによる再発・症状のコントロール不良
●本人の「薬=面倒」という意識が強くなり、内服拒否が始まる
こうなると、本来なら改善できたはずの体調まで崩れてしまうことも。
「たかが薬」と思わず、“生活を支える一部”として整えていく視点が大切です。
~薬と上手につきあうために~
薬は、症状を改善するための大切な手段です。
でも、「多すぎて続けられない」薬は、意味を成さなくなることもあるのが現実です。
本当に必要な薬を、無理なく、本人が納得して飲み続けられるように。
「なんだか最近、薬が大変そうだな」と感じたら、
ぜひ一度、ケアマネジャーや訪問看護師、薬剤師などにご相談ください。
一緒に見直すことで、きっと“続けられる薬”に近づいていきます。


