インフルエンザ予防接種、受ける?受けない?訪問看護の現場から
2025/10/10
朝晩の冷え込みがぐっと強くなり、コートを羽織る人も増えてきました。
この時期になると、
ニュースで「インフルエンザ流行」という言葉を耳にする機会が多くなります。
訪問看護の現場でも、利用者様やご家族から
「予防接種は受けた方がいいの?」
「副作用が心配で…」といったご相談をいただくことが増える季節です。
毎年悩む方も多いこのテーマ。
あなたは、今年どうしますか?
訪問看護の現場から見える“あるある”
私たち訪問看護師が利用者様やご家族と接していると、
インフルエンザ予防接種にまつわる「あるある」に出会うことがあります。
●毎年つい忘れてしまう方
「接種券が届いていたのに気づいたら期限切れに…」
というケースは意外と多くあります。
特に高齢の方や通院が難しい方にとって、
接種のタイミングを逃してしまうことは“あるある”です。
●副作用が心配で接種をためらう方
「腕が腫れるのでは?」
「発熱したらどうしよう」
と不安に感じる方も少なくありません。
インターネットの情報を見て心配になる方もいらっしゃいます。
●効果が本当にあるのか疑問に思う方
「打っても結局インフルエンザにかかった人を知っている」という声もよく聞きます。
確かに100%防げるわけではないので、
接種の意義を分かりやすく伝えることが大切です。
こうした悩みや疑問は、多くの方が共通して抱いているものです。
私たち訪問看護師は、
その思いに寄り添いながら丁寧にお話しすることを心がけています。
知って安心!インフルエンザ予防接種の基礎知識
ここで、利用者様やご家族からよく聞かれる質問に答える形で、
基本的なポイントを整理してみます。
まず、予防接種の効果が出るまでにはおよそ2週間ほどかかると言われています。
そのため、流行が始まる前の秋のうちに、
接種を済ませておくことが望ましいとされています。
また、ワクチンは毎年「その年に流行しやすい型」を予測して作られるため、
昨年接種していても今年も接種が必要です。
「去年打ったから大丈夫」というわけではないのです。
副作用については、
接種部位の腫れや痛み、軽い発熱などが一時的に出ることがありますが、
数日で治まるケースがほとんどです。
重い副作用は稀であり、
医師や看護師と相談しながら進めることで安心して受けられる方が多いです。
看護師としての声かけ・アドバイス例
●利用者様への声かけ
「インフルエンザ予防接種は、重症化を防ぐことにつながります」とお伝えしています。
特に高齢の方や持病のある方は、
感染した際に肺炎などへ進行するリスクが高いため、予防接種の意味は大きいのです。
また、「ご自身だけでなく、ご家族を守る意味もあります」と伝えることも大切です。
例えば同居しているお孫さんや通学しているお子さんから感染することもあります。
接種することで、家族全体の安心につながります。
●ご家族へのアドバイス
・ターミナル期の方や重い持病のある方
体調によっては接種が適さない場合もあります。
そのため「無理に勧めるのではなく、主治医に相談しましょう」とお伝えしています。
・施設や病院に通う予定がある方
外出や人との接触が増える方には
「感染リスクを考えて検討してみませんか」と提案します。
特にデイサービスや外来通院がある方は要注意です。
訪問看護では「絶対に打つべき」と押しつけるのではなく、
利用者様の体調や生活背景を一緒に考えながら、最適な選択をサポートしています。
教育・新人看護師への学び
新人の看護師さんにとって、こうした説明は意外とハードルが高いものです。
「副作用ってどの程度出るの?」
「どういう言葉で伝えれば安心してもらえるの?」と、
利用者様やご家族への説明に戸惑う場面もあります。
そこで私たちの訪問看護ステーションでは、
新人教育の一環として同行訪問を大切にしています。
先輩が実際に利用者様へ説明する様子を見て、
声のトーンや言葉選びを学び、その後少しずつ自分でチャレンジしていきます。
「分からない時にすぐ相談できる」
「説明の仕方をその場でフィードバックしてもらえる」
こうした環境があるから、新人でも安心して成長していけます。
さらに、ステーション内では定期的な勉強会や事例検討会を行い、
インフルエンザをはじめとした感染症対策について理解を深めています。
単に「知識を覚える」のではなく、
利用者様やご家族に“自分の言葉で説明できるようになる”ことを重視しているのです。
訪問看護の仕事に興味を持っている方にとっても、
教育体制が整っていることは安心材料になるのではないでしょうか。
インフルエンザ予防接種に「絶対の正解」はありません。
その方の体調、生活環境、ご家族の状況によって答えは変わります。
訪問看護の役割は、
「打った方がいい」「やめた方がいい」と一方的に決めることではなく、
利用者様やご家族と一緒に考え、安心できる選択をサポートすることです。
訪問看護を利用されている方や働く看護師の方々にとって、
インフルエンザ予防接種は毎年のテーマ。
迷ったときには、訪問看護師と一緒に考えてみませんか?


