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秋の体調変化と誤嚥性肺炎対策法

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秋に多い誤嚥性肺炎に気をつけよう

秋に多い誤嚥性肺炎に気をつけよう

2025/10/20

秋の体調変化と誤嚥性肺炎のリスク


秋になると、朝晩の冷え込みや日中との気温差、空気の乾燥が気になります。

「のどが渇く」「唾液が少なく感じる」
といった変化を、軽く見ていませんか?

こうした変化は、実は高齢者にとって誤嚥性肺炎のリスクを高める要因になります。

誤嚥性肺炎とは?秋にリスクが高まる理由


誤嚥性肺炎とは、
食べ物や唾液、胃内容物などが誤って気管や肺に入ることで起こる肺炎です。

飲み込む動作(嚥下:えんげ)には、
口・のど・気道を守る複雑な調整が関与しているため、
加齢や体調変化でその機能が低下すると、誤嚥をしやすくなります。

特に秋から冬にかけては、以下のような理由で誤嚥性肺炎が起こりやすくなります。

・空気が乾燥し、のどの粘膜が弱る
・水分摂取量が減り、唾液分泌が減少する
・気温差や体調の変動で体力が落ち、嚥下機能が低下する
・冷えや風邪と重なり、気道防御反応(むせ・咳など)が弱まる

こうした背景を踏まえ、
「むせ」「咳」「声の変化」に敏感になることが、早期対応の鍵です。

現場の“あるある”~見落としがちなサイン


訪問看護をしていると、
ご家族や利用者様から次のような“ちょっとした変化”を聞くことが多いです。

・水やお茶を飲んだあと、むせやすくなった
・食事中によく咳き込む
・声がかすれている、ガラガラしている
・食後すぐに横になりたがる、寝落ちしてしまう
・「胸が重く感じる」「息苦しさを感じることがある」
・風邪のような症状が続く(微熱、だるさ)

これらは単なる年齢のせいと思われがちですが、
背後には誤嚥性肺炎への入り口が潜んでいることがあります。

特に高齢者や体力が落ちている方では、
肺炎症状が典型的でないケースも多く見られます。

たとえば、発熱があまり出なかったり、激しいせきが見られなかったりするため、
「様子を見ていたら重症化していた」という事例も現場では経験しています。
だからこそ、些細な変化に気づくことが大切です。

訪問看護師が実践する予防の工夫


ここからは、私たち訪問看護の現場で実際に行っている具体的な予防策や工夫を、
より丁寧にご紹介します。

1. 食後すぐの口腔ケア・介助
●食後すぐに うがい・口すすぎ を行います。
 食べかすや唾液に含まれる細菌を洗い流すことで、誤嚥時の感染リスクを下げます。

●歯磨きは無理のない範囲で。
 入れ歯を使っている利用者様には、入れ歯の着脱確認と洗浄も合わせて行います。

●義歯清掃用の補助具や、マウスウォッシュの利用を組み合わせることもあります。
 ただし、高齢の方や誤嚥リスクが高い方には、
 うがいや水ですすぐだけでも効果があるので、まずは継続できる範囲で取り入れます。

2. 定期的かつ計画的な水分補給支援
●「いつ飲むか」を予め決めておき、定期的に声かけを行います
 (例:30分に一度、食事前後、就寝前など)。

●飲み物に とろみをつける(粘性調整)ことで、
 ゆっくり・安全に飲めるよう支援するケースもあります。

●飲み込みに負担を感じやすい方には、
 寒天ゼリー・果物・スープなど、バリエーションのある水分源を組み合わせています。

●量をしっかり確認できるように、
 目盛り付きコップやストロー付き容器を使うこともあります。

3. 口腔・嚥下体操の導入と継続支援
●あいうべ体操(あ・い・う・べー と大きく口を動かす体操)は、
 口周り・のどの筋肉をほぐし、唾液の流れを良くする効果があります。

●舌を上・下・左右に動かす運動、
 唇を閉じて頬を膨らませたりすぼめたりする運動などを取り入れています。

●最初は短時間(数回~1分程度)から始め、慣れてきたら回数を増やすようにします。

●体操を行うタイミングは、
 朝起きたとき、食前、就寝前など定期的な習慣に組み込むと続きやすいです。

●家族や介護者にも体操方法をお伝えし、
 一緒に取り組んでもらうケースもあります。継続性が鍵だからです。

4. 食事の工夫と姿勢管理
●嚥下しやすい食形態を選びます。
 刻み食、ミキサー食、とろみ食など、利用者様の嚥下能力に合わせた工夫を行います。

●ひとくちの量を小さめにする、噛む回数を増やすよう促すなど、
 ゆっくり食べることを意識してもらいます。

●食事中は話をしない、テレビを見ない、慌てず落ち着いて食べるよう促します。

●食事時の姿勢は極めて重要です。
 背筋を伸ばし、少し前傾の姿勢(前かがみ)をとると、誤嚥しにくくなります。

●ベッド上での食事や寝たきりの方には、
 上体を起こすようにしたり、ベッドの角度を調整したりします。

ご家庭でできる誤嚥性肺炎予防のヒント ~日常に取り入れるコツ~


訪問看護師のサポートを受けられない時間でも、
次のような工夫をすることで、リスクを下げられます。

✔ 定期チェックと「変化」の早期発見
・毎日の「むせる回数」「せき込む回数」「声のかすれ」「食欲・水分摂取量」の変化を
 家族で共有する。
・風邪かな?と思う程度の体調変化でも、むせやすさが増えたら注意する。
・定期的にかかりつけ医や訪問看護に相談する体制を整えておく。

✔ 衛生環境と口腔ケアの継続
・食器やストロー、コップなどの清潔保持。
 特に高齢者は口腔内の細菌が誤嚥時に肺に入りやすいため、衛生管理が重要です。
・夜間や就寝前のうがい、歯磨きは特に大切。
 寝ている間は気道防御が弱まるため、口腔内に菌が残っているとリスクが上がります。

✔ 日常生活での体づくり・運動
・軽い運動や体操、ストレッチを継続して行い、
 全身の筋力・呼吸筋力を維持する。体力が落ちると嚥下機能も低下します。
・体軸体操やヨガ、深呼吸、肩甲骨まわりのストレッチなど、
 無理のない範囲で取り入れる。
・食後すぐに横にならない。少し時間をおいてから休むようにする。

✔ 飲み物・食事の選び方
・飲み物にはとろみをつけたり、ゼリー・スープなど形状のある水分源を混ぜる。
・温かい飲み物や食べ物は、
 のどを通りやすく、刺激も緩やかなので誤嚥リスクを下げやすい。
・冷たいもの、氷はむせやすいため注意が必要。飲む際には少量ずつゆっくりと。

秋は、誤嚥性肺炎が特に起こりやすい季節です。
ただし、それは“絶対に起こる”というものではなく、
日々のちょっとした工夫によって十分に予防が可能なものでもあります。

訪問看護師として私たちは、
利用者様お一人おひとりの“ちょっとした変化”に耳を傾け、
口腔ケア・体操・姿勢管理・水分補給・食事形態の工夫などを導入しています。
これは、ご家庭の皆様とも共有しながら協力していきたい取り組みです。

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