秋の花粉症、見落としていませんか?高齢者にも多い“秋の咳”と訪問看護の工夫
2025/10/24
「花粉症」と聞くと、多くの方が春を思い浮かべるのではないでしょうか。
スギやヒノキの花粉が飛ぶ時期には、
くしゃみや鼻水、目のかゆみに悩まされる人が急増します。
ですが、実は“秋”にも花粉症のリスクがあることをご存じですか?
訪問看護の現場では、
秋口から咳や鼻づまりなどの症状を訴える利用者様が増える傾向があります。
特に高齢の方や、もともとアレルギー体質の方は注意が必要です。
今回は、
秋の花粉症の原因や特徴、訪問看護師が現場で行っている工夫についてご紹介します。
秋の花粉症、その正体とは?
秋に花粉症の原因となる植物には、ブタクサ、ヨモギ、カナムグラなどがあります。
これらの植物は、8月後半から10月ごろにかけて花粉を飛ばし始めます。
春の花粉に比べると認知度が低く、
「風邪かな?」「年齢のせいかな?」と見過ごされがちです。
特に市原市などの千葉県内では、
住宅街の周辺や空き地、河川敷などにこれらの植物が自生しているケースも多く、
知らず知らずのうちに花粉を吸い込んでいるかもしれません。
秋の花粉症の主な症状は、以下のようなものです
・咳やくしゃみが続く
・鼻水、鼻づまり
・目のかゆみや涙目
・喉のイガイガ感
・倦怠感や微熱(風邪と間違えやすい)
特に高齢者の場合、「風邪が長引いている」と思っていたら、
実は花粉症だったというケースが少なくありません。
高齢者は自分の症状をうまく伝えられなかったり、
受診を後回しにしてしまうことがあるため、周囲の気づきがとても重要です。
また、小学生などの子供にとっても、
秋の花粉症は集中力の低下や睡眠不足を引き起こす原因になります。
家族全体で症状に注意し、早めの対策を講じることが大切です。
現場の“あるある”エピソード
秋が深まる頃、「なかなか咳が止まらない」と訪問時に訴える利用者様が増えてきます。中には、1ヶ月以上も風邪薬を飲み続けていたという方もいらっしゃいます。
ある利用者様は、
鼻づまりで夜眠れず、日中もだるさが取れないという状態が続いていました。
医師の診察でアレルギー検査を受けた結果、ブタクサの花粉に反応していたことが判明。原因が分かり、対策を取ることで睡眠の質も改善し、体力の回復につながりました。
別のご家庭では、毎年秋になると決まって体調を崩していたご夫婦がいました。
当初は冷えや風邪と思い込んでいたものの、看護師のアドバイスで空気清浄機を導入し、
外出後は衣服の花粉を払うようにしたことで、今年は症状が大幅に軽減されました。
このように、秋の花粉症は見逃されやすく、
長引く体調不良の原因になっていることもあります。
症状の訴えが曖昧な場合でも、
日常の変化に敏感になることで、適切なケアにつなげます。
訪問看護師が行っている対策と工夫
訪問看護ステーションでは、秋の花粉症を念頭に置いた看護ケアを行うことがあります。以下は、現場で実際に取り入れている工夫の一例です。
1. 水分補給を促す
高齢者は喉の乾燥に気づきにくく、水分を摂る量が減りがちです。
花粉症による喉の不快感を軽減するためにも、こまめな水分補給をおすすめしています。
温かいお茶やスープなどを取り入れることで、
体も温まり、免疫力の維持にもつながります。
利用者様の好みに合わせて飲み物の提案をすることも大切です。
2. 換気と空気清浄機のバランス
花粉が飛ぶ時期でも、室内の換気は必要です。
短時間で効率よく換気を行い、花粉の侵入を最小限に抑えるために、
換気のタイミングや方法をアドバイスします。
加えて、空気清浄機を活用する家庭も増えています。
特に玄関や窓付近に空気清浄機を設置することで、
外から持ち込まれた花粉をすばやく除去できる効果があります。
3. マスクが苦手な方への工夫
高齢の利用者様の中には、「息苦しい」「話しづらい」とマスクを嫌がる方もいます。
その場合は、柔らかい布マスクを提案したり、
鼻の入り口にワセリンを塗ることで花粉の侵入を防ぐ方法も取り入れています。
また、外出時の帽子やメガネの着用も花粉対策になります。
利用者様の生活スタイルに合わせた実用的な方法を、一緒に模索することが大切です。
4. 室内環境の見直し
カーテンやカーペットなどの布製品には、花粉が付着しやすい傾向があります。
週に1回以上の洗濯や掃除機のかけ方についてアドバイスすることも、
症状の軽減に役立ちます。
また、加湿器の活用も喉や鼻の粘膜を保護するために有効です。
ただし、湿度が高すぎるとカビの原因になるため、適度な湿度管理が重要です。
秋の咳、見逃さずに
秋の花粉症は、春ほど認知されていない分、見落とされやすいのが現状です。
「風邪が長引いている」
「体がだるい」
と感じる時、
それが花粉によるアレルギー反応かもしれないという視点を持つことが、
早期の対処につながります。
訪問看護師として、利用者様の小さな体調の変化にも気づけるよう、
日々観察と声かけを大切にしています。
秋は気温差も大きく、体調を崩しやすい季節です。
だからこそ、花粉症という観点を持つことが、
ご本人だけでなくご家族の健康維持にもつながります。
“秋の咳”を風邪のせいにしていませんか?
実は、花粉が原因かもしれません。
季節の変わり目、利用者様が快適に過ごせるよう、
私たち訪問看護師も日々工夫を重ねています。


