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バルーンカテーテルの袋が紫になる理由とは?

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バルーンカテーテルの袋が紫になる理由とは?

バルーンカテーテルの袋が紫になる理由とは?

2025/12/01

訪問看護で見逃したくない“色”のサイン


「えっ、なんでこんな色に!?」
ある日、ご自宅で療養中の利用者様のお宅を訪問した看護師が、
尿の入ったバルーンカテーテルの排尿バッグを見て驚きました。

袋の中の尿が、まるでぶどうジュースのような紫色に染まっていたのです。
ご家族も「何かの病気じゃないか」「薬の影響?」と不安を隠せない様子。

この現象、実は「紫尿症候群」と呼ばれるれっきとした医学的な現象であり、
在宅や施設でカテーテル留置中の高齢者に起こることがあります。

今回は、訪問看護の現場で実際にあった事例をもとに、
この紫色のサインの背景や対応のポイントをご紹介します。

なぜバルーンの袋が紫色になるのか?


紫色採尿バッグ症候群(purple urine bag syndrome〈PUBS〉)は、
尿が紫色に変色する症状です。
特に、高齢者や便秘がちの方、尿路にカテーテルが長期的に留置されている方に
起こりやすいとされています。

原因は、腸内細菌と食事や薬物に含まれる
「トリプトファン」という成分の代謝によって生まれる「インジカン」という物質。
このインジカンが尿に排泄される過程で、バクテリアの作用により青や赤の色素に分解され、
混ざることで紫色になります。

紫色そのものは一見インパクトがありますが、
尿の色が変わったからといって即座に重篤な病気というわけではありません。
ただし、尿路感染症が背景にあることも多いため、注意深い観察が必要です。

紫尿症候群が起きやすい人の特徴とは?


以下のような条件を持つ利用者様は、紫尿症候群が起こりやすいとされています
・女性:尿道が短いため、菌の侵入リスクが高くなる
・高齢者:免疫力や代謝機能の低下、便秘がちなどの背景
・便秘傾向がある方:腸内でのバクテリアの活動が活発になる
・水分摂取量が少ない方:尿が濃縮され、色の変化が顕著になる
・栄養状態の偏り:腸内環境が乱れやすくなる

これらの背景を把握しておくことで、
色の変化に気づいたときに「もしかして?」と早めに察知できることがあります。

訪問看護での対応フロー


紫色の尿を見つけたとき、看護師が行う対応は次のようになります
1.観察
・尿の色、におい、混濁の有無
・利用者様の全身状態(熱、痛み、意識レベル)
・便通や水分摂取の状況

2.記録と報告
・医師へ報告する際は、「尿色の変化」「症状の有無」「バイタル」などを明確に伝えます。

3.連携と対応
・医師の指示に基づき、尿検査や抗菌薬の使用が検討されます。
・感染リスクを想定し、カテーテル周囲の清潔ケアにも注意。

4.再評価
・数日後の尿の色や体調の再確認を行い、改善が見られなければ再度医師と連携します。

予防につながるケアの工夫


紫尿症候群は予防が難しい面もありますが、
以下のような日常のケアでリスクを減らすことが可能です

・水分摂取の工夫:ゼリー飲料やとろみを加えた飲料など、嚥下機能に配慮した形での水分摂取
・排便コントロール:食物繊維を意識した食事や排便リズムの確認
・カテーテルの管理:定期的な交換と清潔保持
・家族への情報提供:尿の色やにおいの変化への気づきを促す説明

訪問看護の現場で実際にあったケース


ある訪問先での出来事。80代女性の利用者様、
自宅で長期的にバルーンカテーテルを使用しており、寝たきりの生活。
ある日、訪問時に尿バッグが紫色に変色していることに看護師が気づきました。
利用者様の表情は穏やかで、発熱や痛みも訴えなし。
ただ、やや便秘気味で、前回の排便は数日前とのこと。バイタルサインは安定していました。

医師に報告の上、尿検査を依頼。
結果、軽度の尿路感染症が判明し、抗菌薬の処方となりました。
数日後には尿の色も通常に戻り、
ご家族も「ちゃんと見てもらえて安心した」と笑顔を見せてくれました。

ご家族への説明は「共感」と「わかりやすさ」がカギ


紫色の尿を見たとき、ご家族は驚き不安になります。
その気持ちにまず共感を示すことが大切です。

「びっくりされますよね。でも、これは『紫尿症候群』というもので、高齢の方でよく見られる現象なんですよ」
「すぐに命に関わるものではありませんが、尿路にばい菌が入っていることがあるので、念のため検査をしますね」

このように、安心材料を先に提示しながら、
きちんとリスクについても説明するバランスが求められます。
専門用語は使いすぎず、噛み砕いて説明することで、ご家族の信頼につながります。

医療職向け・豆知識コーナー


紫尿症候群に似た「尿の色変化」もいくつかあります:
●薬剤性の尿変化
・リファンピシン:赤い尿
・アミトリプチリン:青緑色の尿
・プロポフォール:緑の尿
●食事による影響
・ビーツやブルーベリー:赤~紫系の便
・着色料の多い食品:青や緑の便

また、無症候性尿路感染にも注意が必要です。
熱や痛みがなくても尿のにおいや色が変わることがあり、
特に寝たきりの高齢者では症状が出にくい傾向があります。

訪問看護で“見逃したくない色のサイン”


紫だけでなく、尿や排泄物、皮膚などに現れる「色」は、
体からのサインです。以下のような色の変化には注意が必要です。

●濃い茶色の尿:脱水、肝機能の異常の可能性
●赤い尿:血尿、尿路感染、薬剤の影響など
●白濁した尿:細菌感染や膿の混入のサイン
●皮膚が青白い・紫っぽい:血流不良、低酸素状態の可能性
●便の色が黒い・タール状:消化管出血の可能性
●緑色や青い尿・便:薬剤や着色料の影響も疑う

色の変化を「おかしいな?」と感じる視点を持つことで、
重篤な変化を早期にキャッチできることもあります。

色は体からのメッセージ!観察の目をアップデートしよう


紫尿症候群は珍しいようで、実は在宅現場では比較的よく出会う現象です。
見た目のインパクトに驚きつつも、
「冷静な観察」「医師への連携」「ご家族への説明」の3点を押さえて対応することが重要です。

また、色の変化に気づける“観察力”は、訪問看護においてとても大切なスキル。
利用者様の体調の変化を早期にキャッチし、
安心して自宅で過ごせるようサポートする力になります。

ぜひ今日から、「いつもと違う色」に敏感になってみてください。
それが、ご利用者様の安全を守る第一歩になるかもしれません。

バナナの葉訪問看護ステーションでは、
千葉県の市原市・木更津市・袖ケ浦を中心に訪問を行っています。

「これって相談してもいいのかな?」と思うような小さなお困りごとでも、
どうぞ遠慮なくお話しください。
病気のことだけでなく、日々の暮らしの中で感じる不安や悩みにも、
そっと寄り添える存在でありたいと願っています。

また、利用者様やご家族に寄り添うケアを一緒に届けてくださる仲間も、随時募集しています。
訪問看護が初めての方でも、ブランクのある方でも大歓迎です。
私たちと一緒に、地域の“暮らし”を支えるチームの一員になりませんか?

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