冬至の風習で心も体も温まる訪問看護の実践
2025/12/19
「今日は冬至だから、ゆず湯に入ったのよ」と笑顔で話してくれた利用者様。
その言葉に、私たち訪問看護師も思わずほっこりします。
季節の移ろいを肌で感じる日々の中、
こうした昔ながらの風習が、心と体のケアにつながっていることに気づかされます。
今回は、訪問看護を現場で出会った、
心のあたたまる「冬至」のひとこまをご紹介します。
冬至ってどんな日?
冬至は、一年のうちで昼の時間が最も短い日です。
2025年は12月21日が冬至にあたります。
「太陽の力が一番弱まるけれど、これからまた強くなっていく日」ともされ、
古くから「運が向いてくる転機」とも考えられてきました。
昔の人はこの日を、
風邪を引かずに冬を越すための準備の一日として大切にしてきました。
そんな冬至の代表的な風習が「ゆず湯」と「かぼちゃ」です。
近年は残念ながら、平均年齢の高齢化や孤立により、
身近な日本の行事が失われつつあります。
ゆず湯の健康効果とは?
「冬至に湯治」
この言葉には、
冬至の日にお湯につかって健康を祈るという意味が込められています。
そこに「ゆず湯」という風習を組み合わせた日本人の感性は、
まさに健康と心の美しさを映すものです。
ゆずには血行促進や風邪予防の効果があり、香りにはリラックス作用もあります。
寒さに弱い高齢者にとっても、うれしい自然の恵みです。
ゆずを切ってガーゼ袋やタオルに包み、湯船に浮かべるだけでも十分。
また、手浴として楽しむのもおすすめです。
手のひらから伝わる温もりは、まるで“温かい泉”のような癒しをもたらします。
実際にこんなエピソードもありました。
「庭のゆずをどうぞ」と
利用者様から袋いっぱいのゆずをいただき、スタッフ全員で持ち帰りました。
その夜、ゆず湯にして入ったところ、「こんなに温まるんですね」と感動の声が。
翌朝には「よく眠れた!」と笑顔で話すスタッフもいました。
こうした香りの記憶は、
認知症の利用者様にとって“懐かしさ”を呼び起こす大切な刺激にもなります。
五感を通じたアプローチができるケアとして、
ゆず湯はまさに心と体を癒す日本の知恵なのです
かぼちゃを食べる理由とは?
冬至にかぼちゃを食べるのは、「冬に体を守る栄養をしっかり摂る」ための知恵。
かぼちゃには
ビタミンCやβカロテン、食物繊維が豊富で、免疫力アップに最適です。
特に高齢者は寒さで食欲が落ちたり、
栄養バランスが偏ったりすることもあります。
そこで登場するのが「かぼちゃの煮物」や「スープ」。
ミキサーでなめらかにしたスープを提案することもあります。
「スープなら母が全部飲めたんです」と、ご家族から感謝の声もいただきました。
さらに、地域によっては「いとこ煮」などの伝統料理も健在。
柔らかくて食べやすく、栄養もばっちり。まさに、思いやりの味です。
身近な食材を使って、無理なく取り入れられる“冬の栄養ケア”。
ご家庭でも試してみてはいかがでしょうか?
訪問現場での“ほっこり”冬至エピソード
ある冬至の日、
訪問先で利用者様の娘さんが手作りのかぼちゃの煮物を出してくれました。
「今日は冬至だからって、娘が煮てくれたのよ」と、
にこにこしながらかぼちゃの煮物を見せてくれた利用者様。
「母が昔よく作ってくれた味を、今度は私が作ったんです」と娘さん。
家族の味が世代を超えて受け継がれ、
看護師の目の前で自然に生まれる小さな感動。
それは、高齢者ケアのなかで最もあたたかい瞬間のひとつです。
また、あるご家庭では、玄関にゆずを飾っていたので話しかけると、
「昔は五右衛門風呂にゆずを入れたのよ」と、
利用者様が昔話を語ってくださいました。
こうした“季節を感じる会話”は、
看護やリハビリの中でも信頼関係を深める大切なきっかけになります。
訪問看護の“季節を届ける”役割
訪問看護は、医療やケアを届けるだけではなく、
「その人らしい生活」や「四季を感じる日常」を支える仕事でもあります。
新人看護師が、初めて冬至に訪問した際、
「ゆず湯に入りましたか?」と話しかけることで、会話が弾んだことも。
「孫と一緒にゆず湯に入ったんだよ」と話してくださる方もいて、
一気に距離が縮まったといいます。
チームでは「季節の声かけ」や「ケアの工夫ノート」を共有し合い、
日々の看護に“ぬくもり”を添える努力をしています。
また、地域の小学校の子どもたちからの冬至カードが届き、
「寒いけど、あたたかいね」と涙ぐまれる方もいらっしゃいました。
今日からできる、心があたたまるケア
・ゆず湯やかぼちゃなどの冬至の習慣には、
高齢者の健康を支える知恵が詰まっています。
・訪問看護の現場では、季節行事を通して心のケアも届けています。
・ご家庭でも、「今日は冬至だね」と話題にするだけでも、
会話が弾み、笑顔が増えるきっかけになります。
「医療」と聞くと堅苦しく思われがちですが、
こうした“季節を伝えるやさしさ”も看護の一部です。
地域のなかで、働く看護師たちが届ける日々のぬくもりが、
今日も誰かの心をぽかぽかにしています。
バナナの葉訪問看護ステーションでは、
千葉県の市原市・木更津市・袖ケ浦を中心に訪問を行っています。
「これって相談してもいいのかな?」と思うような小さなお困りごとでも、
どうぞ遠慮なくお話しください。
病気のことだけでなく、日々の暮らしの中で感じる不安や悩みにも、
そっと寄り添える存在でありたいと願っています。
利用者様やご家族に寄り添うケアを一緒に届けてくださる仲間も随時募集しています。
訪問看護が初めての方でも、ブランクのある方でも大歓迎です。
私たちと一緒に、地域の“暮らし”を支えるチームの一員になりませんか?


