現代人に増える“汗腺力の低下” 〜その体の変化、気づいていますか?〜
2026/02/20
前回は、冬の発汗が体にいいという話をしましたが、そもそも「汗をかく力」そのものが弱っている人が増えているのをご存じですか?
今回は、現代人に多い“汗腺の衰え”についてご紹介します。
1. 汗腺のしくみと役割
私たちの体には「エクリン腺」と「アポクリン腺」という2種類の汗腺があります。
主に体温調節のために働いているのがエクリン腺で、全身に分布し、汗のほとんどをここから分泌します。
アポクリン腺は限られた部位にあり、ストレスや刺激によって働くことが多く、臭いの元にもなりやすいです。
このエクリン腺の働きが、体温を一定に保つために欠かせない「発汗」の中心的な役割を果たします。汗が皮膚表面で蒸発することで熱を放出し、体温を調整しています。
つまり、汗をかく力=汗腺の働きがしっかりしていないと、体はスムーズに熱を逃がせなくなってしまうのです。
2. 汗腺が衰える原因
汗腺は実は、生まれてから3歳ごろまでにその数が決まるといわれています。
つまり、この時期にしっかり汗をかく経験をしていないと、汗腺の一部は“眠ったまま”使われずに終わってしまうこともあるのです。
その後も加齢とともに、汗腺の働きや感受性は少しずつ低下していきます。
近年、汗腺の働きが弱くなっている人が増えているといわれています。
その主な原因には次のようなものがあります
・運動不足
普段から体を動かす機会が少ないと、汗をかく場面も減り、汗腺が使われなくなって衰えてしまいます。
・冷暖房への依存
一年中快適な温度で過ごせる環境は便利ですが、体が自分で体温調節する機会が減ってしまいます。
・加齢
年齢とともに汗腺の数や働きが減少することも知られています。
特に高齢者では、暑さや寒さに対する感覚が鈍くなることもあります。
・水分不足
汗をつくるための材料である水分が足りないと、当然発汗もしにくくなります。
3. 汗をかけないとどうなる?
汗腺の働きが低下し、うまく汗をかけないと、体にさまざまな悪影響が出ます。
・熱中症のリスクが上がる
体内の熱がこもりやすくなり、熱中症や脱水症状を起こしやすくなります。
・むくみやだるさ
体の水分代謝が滞ることで、余分な水分が体内にたまりやすくなります。
・体温調整がうまくいかない
外気温の変化に対応できず、寒暖差で体調を崩しやすくなります。
・免疫力の低下や疲労感
自律神経が乱れやすくなり、全身のバランスが崩れることもあります。
4. 汗腺を“鍛える”生活習慣とは?
汗腺は使えば使うほど働きがよくなる「トレーニング可能な器官」です。
日常生活の中で次のような習慣を意識することが、汗腺力アップにつながります
・日常的な運動を取り入れる
ウォーキングや体操、ストレッチなど、無理のない運動でOK。
・外遊びや外気に触れる機会をつくる
特に子供は屋内遊びが多くなりがちですが、季節に応じた屋外活動が大切です。
・湯船にしっかり浸かる
シャワーだけで済ませず、体調に合わせて38〜40℃程度の湯船に10〜15分ゆっくり入ることで、じんわりとした汗をかく習慣がつきます。
・服装の調整を工夫する
寒暖差に対応しやすいように重ね着を活用し、体が自然に体温を調節する機会をつくりましょう。
また、訪問看護の現場でも「汗腺を意識したケア」を取り入れています。
たとえば、足浴や手浴は手軽に血行を促し、じんわりと汗をかくことができるケアのひとつです。
利用者様と一緒に深呼吸を取り入れながらの体操や、体をゆっくり動かす時間を設けることで、無理なく汗腺を刺激することができます。
これらの習慣は、心地よさと同時に“汗をかける体”づくりにつながる大切な支援です。
5. 年代別の注意点
●子どもの場合
汗腺は幼少期に発達し、その後は数が増えないと言われています。
小さいうちにしっかり汗をかく経験をしておくことで、将来の汗腺力が決まるとも言えます。
遊びや運動でしっかり体を動かすことが何よりの汗腺トレーニングです。
●高齢者の場合
年齢とともに汗腺の働きは自然に低下しますが、それでも「全く汗をかかない生活」よりも、少しでも体を動かしたり、お風呂に入って温まったりすることが、体温調節機能の維持につながります。
無理のない範囲で、体をじんわり温める工夫をしていきましょう。
汗をかくという行為は、単に“暑いときに出るもの”ではなく、体の中のさまざまな機能とつながっている大切なサイン。日々の中で「汗をかける体づくり」を意識することが、健康を守る第一歩です。
バナナの葉訪問看護ステーションでは、千葉県の市原市・木更津市・袖ケ浦を中心に訪問を行っています。
「これって相談してもいいのかな?」と思うような小さなお困りごとでも、どうぞ遠慮なくお話しください。病気のことだけでなく、日々の暮らしの中で感じる不安や悩みにも、そっと寄り添える存在でありたいと願っています。
また、利用者様やご家族に寄り添うケアを一緒に届けてくださる仲間も、随時募集しています。訪問看護が初めての方でも、ブランクのある方でも大歓迎です。私たちと一緒に、地域の“暮らし”を支えるチームの一員になりませんか?


