「サプリって必要?」高齢者飲む前に知っておきたい大切なこと
2026/03/02
「何となく飲んでいる」サプリ、本当に必要ですか?
「テレビで見て良さそうだったから」「お友達にすすめられて」
こうした理由で、気づけばサプリメントが食卓にズラリ…なんてこと、ありませんか?
訪問看護の現場では、1日に5種類以上のサプリメントを飲まれている利用者様にお会いすることもあります。
しかし、お話を伺うと「テレビでいいって言ってたから、何となく続けている」という方も多くいらっしゃいます。
今回は、そんな“何となく飲んでいるサプリ”について、看護師の視点から見た「気をつけたいポイント」「本当に役立つ使い方」などをわかりやすくお伝えします。
サプリの良いところ:うまく使えば暮らしの味方に
サプリメントには、実は「うまく使えば力になる」良さもあります。以下のようなケースでは特に有効です。
● 食事だけでは補いきれない栄養を補える
高齢になると、食が細くなったり、偏食傾向が出てきたりします。
特にたんぱく質やカルシウム、ビタミン類が不足しやすくなります。
こうした不足分をサプリメントで“補助的に”取り入れるのは、とても理にかなっています。
● 手軽で続けやすい
噛む力が弱くなってきた方でも、サプリなら飲み込むだけ。
食事とは違い、調理の手間も不要です。
● 医師の指導のもとで治療の一環として使われることも
例えば骨粗しょう症の予防に、ビタミンDやカルシウムのサプリを使うことがあります。
こうしたケースでは、医師の判断に基づき、効果的に取り入れることができます。
気をつけたい“ありがち落とし穴”
一方で、サプリメントには見逃せない“落とし穴”も存在します。
現場でよく見かけるケースをご紹介します。
● 目的があいまいなまま、なんとなく続けている
「何のために飲んでいるのか?」が曖昧だと、本来必要な栄養とズレが生じてしまうことがあります。
● 過剰摂取・重複摂取
マルチビタミンを飲みながら、栄養ドリンクや強化食品を同時に摂っている方も多く、ビタミンAや鉄など、過剰摂取による副作用も懸念されます。
●「効いてる気がする」だけで依存してしまう
気持ち的に頼ってしまい、やめることに強い不安を感じてしまう方も。
効果を客観的に評価することが難しいのも、サプリの特徴です。
●薬との飲み合わせに注意
血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)とビタミンKのサプリなど、一部の栄養素は薬の効果に影響することがあります。
知らずに飲み続けることで、薬の効き方にブレが出てしまうこともあります。
✅よくある「飲み合わせ」のリスク(訪問看護の現場で見かける例)
● 効果が弱まってしまう
・カルシウムサプリ+一部の抗生物質
→ 抗生物質の吸収を妨げることがあります。
● 効きすぎてしまう
・副作用が出る
ビタミンKサプリ+抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)
→ 薬の効果を打ち消し、血栓リスクを高める場合も。
・セントジョーンズワート(ハーブ系)+抗うつ薬や睡眠薬
→ 効果が強まりすぎたり、副作用が出やすくなったりします。
● 内臓への負担が重なる
・サプリでビタミンAや鉄を多く取りすぎた結果、肝臓や腎臓への負担が増えることも。
飲み合わせに注意が必要なケースもあるため、飲み始める前に医師や薬剤師に相談するのが安心です。
ただ、「サプリは不要」と言われるのが不安で、相談をためらってしまう方も少なくありません。
そんな時は、まず看護師に話してみてください。気持ちに寄り添いながら、医師や薬剤師とも連携して、よりよい選択を一緒に考えていきましょう。
「関節系サプリ」の真実(コンドロイチン・グルコサミン)
「膝が痛い」「階段がつらい」と感じ始めると、よく登場するのがコンドロイチンやグルコサミンといった“関節系のサプリ”。
科学的には、「膝の痛みに効果がある」とする十分な証拠は今のところないとされています。
それでも「飲んだら楽になった」とおっしゃる利用者様もいらっしゃるのも事実。
私たち看護師は、利用者様の気持ちを大切にしています。
しかし、サプリだけに頼らず、痛みの原因を一緒に探り、無理のない運動や日常生活の動作改善を取り入れていくことが、長い目で見て身体のためになると感じています。
「レモン100個分!?」数字に惑わされないで
サプリの広告でよく見る「ビタミンCレモン◯個分!」などの表現です。
インパクトがありますが、ここにも注意が必要です。
● 吸収される量は別問題
食べ物から摂った栄養と、サプリから摂った栄養では、体内での吸収率や働き方が違います。
● たくさん摂っても使われないことも
必要以上に摂ったビタミンやミネラルは、体外へ排出されたり、肝臓や腎臓に負担をかけたりすることもあります。
“多ければ多いほど良い”というわけではないことを、ぜひ覚えておいてください。
訪問看護の現場での対応とアドバイス例
現場でよくいただくご相談と、その時の対応をご紹介します。
● 「サプリ、飲んでもいいですか?」
→ 「何のために飲みたいか、一緒に考えましょう」
必要な栄養素や、今の体調に合っているかを一緒に確認します。
● 「家族が買ってきたけど、よくわからない…」
→ 「まずは医師や薬剤師に確認を」
自己判断せず、専門職に相談するようお伝えしています。
● 「効いてる気がするけど、やめたら不安」
→ その気持ちに寄り添いながら「他の方法も一緒に探しましょう」
運動や生活習慣の見直し、痛みの原因を一緒に考えることも大切にしています。
サプリは“道具”。本体は、あなたの体と暮らしです。
サプリメントは、上手に使えば生活の支えになりますが、頼りすぎてしまうと本来の目的を見失ってしまうこともあります。
高齢になっても、健やかに毎日を過ごすために必要なのは、
・バランスの取れた食事
・無理のない運動
・しっかりとした休息 です。
そして何より、「一人で悩まないこと」。
わからないことがあれば、看護師や薬剤師、医師と一緒に考えましょう。
それが、より安全で納得のいく選択につながります。
バナナの葉訪問看護ステーションでは、千葉県の市原市・木更津市・袖ケ浦を中心に訪問を行っています。
「これって相談してもいいのかな?」と思うような小さなお困りごとでも、どうぞ遠慮なくお話しください。病気のことだけでなく、日々の暮らしの中で感じる不安や悩みにも、そっと寄り添える存在でありたいと願っています。
また、利用者様やご家族に寄り添うケアを一緒に届けてくださる仲間も、随時募集しています。訪問看護が初めての方でも、ブランクのある方でも大歓迎です。私たちと一緒に、地域の“暮らし”を支えるチームの一員になりませんか?


