1型糖尿病の基礎知識と治療法

糖尿病という言葉を聞くと、多くの人は生活習慣病の一つである「2型糖尿病」を思い浮かべるかもしれません。しかし、糖尿病にはいくつかの種類があり、その中でも「1型糖尿病」は自己免疫が関与する疾患であり、発症のメカニズムや治療法が2型糖尿病とは大きく異なります。1型糖尿病についての基礎知識や治療法、日常生活でのケア方法、そして利用者様やご家族が直面する苦悩について詳しく解説します。

１型糖尿病の概要

１型糖尿病は、膵臓にあるβ細胞（インスリンを分泌する細胞）が自己免疫反応によって破壊されることで発症します。そのため、体内でインスリンを作ることができなくなり、血糖値を適切に調整できなくなります。

【主な特徴】
　・発症年齢：幼少期から若年成人での発症が多い（ただし、成人発症もある）
　・原因：自己免疫による膵β細胞の破壊（遺伝や環境因子が関与）
　・治療の必須性：インスリン注射が不可欠（経口薬では治療できない）
　・生活習慣の影響：生活習慣が直接の原因ではない

【１型糖尿病と２型糖尿病の違い】
１型糖尿病と２型糖尿病は名前が似ているものの、発症原因や治療法が大きく異なります。

また、日本国内の1型糖尿病患者は推定約10万人とされ、2型糖尿病の患者数に比べると少数ですが、正しい理解と支援が求められています。

１型糖尿病の症状

１型糖尿病は、短期間で症状が急激に現れることが多く、適切な治療が遅れると危険な状態に陥ることもあります。

【主な初期症状】
　・異常な喉の渇き（口渇）
　・頻尿（特に夜間）
　・急激な体重減少
　・疲れやすさや倦怠感
　・視界のかすみ
　・意識障害（重症化すると昏睡状態に陥ることも）

【低血糖・高血糖の症状】

• 　＊低血糖（血糖値が低すぎる場合）

  • 　　・手の震え

  • 　　・発汗

  • 　　・動悸

  • 　　・意識混濁、場合によっては昏睡

• 　＊高血糖（血糖値が高すぎる場合）

  • 　　・口の渇き

  • 　　・尿量の増加

  • 　　・倦怠感

  • 　　・昏睡状態（ケトアシドーシス）
    
    

このような症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。

１型糖尿病の治療法

１型糖尿病の治療には、インスリン療法が不可欠です。現在、根本的に病気を治す方法はなく、生涯にわたるインスリン投与が必要となります。

【主な治療法】
１.インスリン療法
　・注射（ペン型インスリンやシリンジ）
　・インスリンポンプ（持続的にインスリンを投与する装置）
２.血糖管理
　・自己血糖測定（指先採血や持続血糖モニター：CGM）
　・食事療法（糖質の計算やバランスの取れた食事）
　・運動療法（無理のない範囲での運動）
３.最新の治療法と研究
　・人工膵臓の研究
　・免疫療法によるβ細胞の保護
　・幹細胞治療の可能性

治療の進歩により、インスリンポンプや持続血糖モニタリング（CGM）の普及が進んでおり、患者さんの負担軽減が期待されています。

１型糖尿病の治療法

１型糖尿病の治療には、インスリン療法が不可欠です。現在、根本的に病気を治す方法はなく、生涯にわたるインスリン投与が必要となります。

【主な治療法】
１.インスリン療法
　・注射（ペン型インスリンやシリンジ）
　・インスリンポンプ（持続的にインスリンを投与する装置）
２.血糖管理
　・自己血糖測定（指先採血や持続血糖モニター：CGM）
　・食事療法（糖質の計算やバランスの取れた食事）
　・運動療法（無理のない範囲での運動）
３.最新の治療法と研究
　・人工膵臓の研究
　・免疫療法によるβ細胞の保護
　・幹細胞治療の可能性

治療の進歩により、インスリンポンプや持続血糖モニタリング（CGM）の普及が進んでおり、患者さんの負担軽減が期待されています。

１型糖尿病患者様の苦悩

１型糖尿病の利用者様やご家族は、日常生活の中でさまざまな困難に直面します。

【主な悩み】
　＊「生活習慣が原因」と誤解される
　　・1型糖尿病は自己免疫疾患であり、生活習慣病ではないにもかかわらず誤解されがちです。
　＊学校や職場での理解不足
　　・周囲の配慮が得られず、自己管理が難しい場面がある。
　＊低血糖のリスクと常に向き合う必要がある
　　・血糖値の急変動による体調不良が日常的に発生する可能性がある。
　＊医療費や生活の負担が大きい
　　・継続的な治療費や医療機器のコストが高額になりがち。

適切な医療とサポートがあれば、これらの困難を軽減することができます。

１型糖尿病とライフスタイル

１型糖尿病の利用者様が快適な生活を送るためには、日常生活の工夫が必要です。

【旅行や外食時の注意点】
　・インスリンや血糖測定器を忘れずに携帯
　・食事のタイミングを調整しながら血糖値を管理
　・低血糖時に備えたブドウ糖やスナックを持ち歩く
【運動と血糖管理】
　・運動前に血糖値を測定し、低血糖予防のための対策を立てる
　・適度な運動は血糖値の安定に寄与するが、過度な運動は低血糖を引き起こす可能性がある
　・持続血糖モニター（CGM）を活用してリアルタイムで血糖値を確認
【仕事・学校での配慮】
　・周囲の理解を得るために、職場や学校の関係者に病気について説明
　・低血糖対策のための食事や休憩時間の確保
　・必要に応じて医療従事者や学校の保健室と連携

１型糖尿病と合併症

長期間にわたって血糖値の管理が不十分な場合、さまざまな合併症が生じる可能性があります。

【主な合併症】
　・糖尿病性腎症（腎臓の機能低下による透析リスク）
　・糖尿病性網膜症（視力低下や失明の可能性）
　・糖尿病性神経障害（しびれや感覚の鈍麻）
【合併症予防のポイント】
　・定期的な血糖管理
　・生活習慣の改善（バランスの取れた食事と運動）
　・定期健診を受け、早期発見・早期対応

訪問看護の役割

１型糖尿病の利用者様にとって、訪問看護は心強いサポートとなります。

【訪問看護でできること】
　１.血糖管理のサポート
　　・正しい血糖測定の指導
　　・低血糖時の対応
　２.インスリン注射のサポート
　　・高齢者や小児患者のインスリン管理の支援
　３.食事・運動指導
　　・生活リズムに合わせた指導
　４.心理的サポート
　　・利用者様やご家族の不安軽減 訪問看護を活用することで、
　　　より安心して日常生活を送ることができます。

１型糖尿病は、まだまだ認知度が低く、誤解されることも多い疾患です。しかし、適切な治療とサポートがあれば、利用者様は自分らしい生活を送ることができます。 訪問看護の支援で、周囲の理解を広げることも重要な役割の一つです。利用者様やご家族が安心して生活できるよう、正しい知識と適切なケアを大切にしていきます。