夏の運動不足が招く筋力低下に注意! ~在宅でもできる体と心のケア~
2025/08/18
夏の暑さが厳しくなると、どうしても外出が減り、活動量も落ちがちになります。
特に高齢の方にとっては、熱中症を警戒するあまり、外出を控えすぎてしまうことも。
そうなると、
「足腰が弱る」→「転倒する」→「さらに動けなくなる」という
負のサイクルを招く原因になります。
今回は、夏に起こりがちな“運動不足”を防ぐために、
訪問看護の視点からできる工夫や、日常で取り入れやすい運動のヒントをご紹介します。
暑さで「動けない」から「動かない」へ
夏になると
「暑いから買い物も行かない」
「デイに行くのがつらい」
という日が続き、
気づけばそのまま“動かない習慣”が定着してしまうことがあります。
高齢の方にとってはこの「ちょっとの休み」が、
筋力やバランス感覚の低下につながりやすく、日常生活に影響が出ることも。
【こんな変化はありませんか?】
・立ち上がるときによろける
・段差や敷居でつまずきやすくなった
・お風呂やトイレの移動が疲れる
・階段を避けるようになった
これらは、運動不足による身体機能の低下のサインかもしれません。
夏でもできる“ちょこっと運動”のすすめ
熱中症が心配な時期は、無理に外での散歩や体操をしなくても、家の中でできる工夫があります。
訪問看護の現場では、以下のような運動をおすすめしています
● 室内でできる軽い体操
・椅子に座って足を上げ下げ(太ももや膝の筋肉強化)
・両腕をゆっくり前後に動かす(肩の可動域キープ)
・テレビを見ながら足踏み(リズムに合わせると続けやすい)
・洗濯物を畳むついでに、背伸び運動
● 買い物や家事を“運動”にする
・近くのスーパーまでの往復を意識して歩く
・洗濯物干しや掃除機がけも立派な運動
・涼しい時間帯(朝や夕方)を選んで動く
● 呼吸筋を鍛える運動も
高齢になると、肺活量や呼吸筋の力も弱まってきます。
・ゆっくり息を吐く練習(風船を膨らませるのも◎)
・声を出して歌を歌う(口・のどの筋トレにも)
これらは転倒リスクが低く、在宅でも安全に行いやすい運動です。
「1日1回、数分だけでも動く」を目標にし、続けられる工夫を一緒に見つけていきましょう。
運動だけじゃない「心の活性化」も大切に
暑さや外出制限が続くと、
どうしても人との関わりが減ってしまい、気分が落ち込む方も少なくありません。
運動だけでなく、「誰かと話す」「笑う」といった心の動きも、
脳への刺激になり、生活全体の活性化につながります。
訪問看護では、以下のような関わりも心がけています
・運動のついでにちょっとした会話を楽しむ
・写真や昔の話をきっかけに思い出を共有
・好きな音楽を一緒に聴く
・「できたね!」と成果を一緒に喜ぶ
運動と心のケアは、セットで支えていくことが大切です。
ご家族や介護者ができるサポート
高齢者がひとりで運動を継続するのは、なかなか難しいもの。
ご家族や介護スタッフが、そっと支えるだけでも大きな力になります。
● 声かけとタイミングの工夫
・「今から一緒に体操しようか?」
・「お茶の前に足の運動してみる?」
・「あと10回だけやったらおやつにしよう!」
● 無理のない目標設定
・毎日じゃなくても「週3回」「午前中だけ」など
・カレンダーに記録をつけると達成感アップ
・「できたね」と褒めるだけでもやる気が出る
● 運動に集中できる環境づくり
・滑らない床、適度な室温・湿度、明るさの確保
・イスやテーブルを活用し、安心して取り組めるように
何気ない日常動作の中でも、意識的に体を使うことで筋力維持につながります。
「動かさないとダメ!」ではなく、「一緒にやってみようか」という声かけが、
前向きな気持ちを引き出すポイントです。
「暑いから今日は休もう」は、誰もが思う自然な感情です。
しかし、それが数日、数週間と続くと、体力の低下につながってしまいます。
訪問看護では、運動不足がもたらす影響に早めに気づき、
「できることを、できる分だけ」無理なく続けられるようにサポートしています。
在宅でも、夏でも、ちょっとした工夫と声かけで“動ける体”を守っていきましょう。
何から始めればいいかわからない場合も、どうぞお気軽にご相談ください。


