下の血圧が高いってどういうこと? 上と下の血圧の違いを看護師が解説
2026/04/10
血圧の「下」が高いのは大丈夫?
「血圧の下が高いのは大丈夫ですか?」
訪問看護の現場では、
血圧測定のときにこのような質問をいただくことがあります。
血圧と聞くと「上の数字」を気にされる方が多いですが、
実は下の血圧にも大切な意味があります。
特に在宅で暮らす高齢者の利用者様では、
日々の体調の変化や生活習慣が血圧に影響することもあり、
上と下の両方をバランスよく見ることが大切です。
今回は、血圧の基本的な仕組みと、
下の血圧(拡張期血圧)が高い場合の考え方について、
訪問看護の視点からわかりやすくお伝えします。
血圧とは?上と下の数字の意味
血圧は通常、次のように2つの数字で表されます。
例:120/80
この2つにはそれぞれ意味があります。
●上の血圧(収縮期血圧)
→心臓がギュッと収縮して、血液を体に送り出すときの圧力
●下の血圧(拡張期血圧)
→心臓が次の拍動に備えて休んでいるときの圧力
少しイメージしやすく言い換えると、
上の血圧=心臓が押し出す力
下の血圧=血管の抵抗(血管の硬さや広がりにくさ)
という関係になります。
血液は血管という“ホース”の中を流れています。
そのため、血管がしなやかで柔らかいほど血液はスムーズに流れますが、
血管が硬くなると流れにくくなり、血圧に影響することがあります。
下の血圧が高いとどうなる?
下の血圧が高い場合、次のような状態が考えられます。
・血管が硬くなっている
・血管の抵抗が強くなっている
この状態は、いわゆる動脈硬化と関係することがあります。
動脈硬化とは、
血管の壁が厚くなったり硬くなったりして、血液の流れが悪くなる状態のことです。
年齢とともに少しずつ進むことが多いですが、
塩分の多い食事、運動不足、ストレスなども影響するといわれています。
動脈硬化が進むと、
・心筋梗塞
・脳梗塞 といった病気のリスクにもつながることがあります。
ただし、一度の測定で下の血圧が高かったからといって、
すぐに大きな病気につながるわけではありません。
数値が続く場合には注意が必要ですが、
普段の血圧の傾向を見ていくことが大切です。
150/92 と 100/90 はどちらが危険?
血圧についてよくある質問のひとつが、
「150/92と100/90はどちらが危険ですか?」
といったものです。
それぞれの特徴を見てみましょう。
●150/92
→ 上下ともに高いタイプ(一般的な高血圧)
●100/90
→下の血圧が高いタイプ(拡張期高血圧) という違いがあります。
結論から言うと、どちらも注意が必要です。
特に高齢者では、血管が硬くなる影響で上の血圧が高くなる
「収縮期高血圧」が多いと言われています。
一方、比較的若い年代では、
下の血圧が高くなるケースが見られることもあります。
大切なのは、1回の数値だけで判断しないことです。
訪問看護の現場では、
・朝と夜の血圧
・日による変化
・体調との関係
などを見ながら、全体の傾向を確認しています。
「脈圧」という考え方
少しだけ専門的な話になりますが、
血圧を見るときには脈圧(みゃくあつ)という考え方もあります。
脈圧とは、
上の血圧 − 下の血圧
で計算されます。
例えば、
120/80の場合
120 − 80 = 脈圧40
一般的には、脈圧は30〜50程度が目安とされています。
脈圧が大きすぎる場合は血管の硬さ、
逆に小さすぎる場合は心臓の働きなどと関係することがあるため、
医療者はこうした点も参考にしながら血圧を見ています。
ただし、利用者様やご家族が細かく計算する必要はありません。
大切なのは、普段の血圧の傾向を知ることです。
利用者様それぞれに「いつもの血圧」があります。
一般的な基準だけで判断するのではなく、
その方の普段の数値や体調の変化を合わせて見ていくことが重要です。
下の血圧が高いと薬が必要?
下の血圧が少し高い場合でも、すぐに薬による治療が必要になるとは限りません。
血圧の治療は、
・血圧の数値
・年齢
・持病
・普段の血圧の傾向 などを総合的に見て、医師が判断します。
まずは生活習慣の見直しや家庭での血圧測定を続けながら、
経過を見ることも多くあります。
こんなときは医療機関へ相談を
血圧はさまざまな要因で変化します。
・体調
・ストレス
・睡眠不足
・運動
・塩分の多い食事 などでも、一時的に高くなることがあります。
しかし、次のような場合は医療機関へ相談することをおすすめします。
・下の血圧が90以上の状態が続く(高血圧の可能性)
・頭痛やめまいがある
・胸の痛みや息苦しさがある
訪問看護では、利用者様の血圧や体調の変化を日々確認しながら、
必要に応じて主治医やご家族と情報共有を行っています。
「少し気になるな」という段階で相談することが、
安心して在宅生活を続けるための大切なポイントです。
血圧は「上」だけでなく「下」も大切
血圧というと上の数字につい目が行きがちですが、
下の血圧も血管の状態を知る大切な指標です。
・上=心臓が血液を送り出す力
・下=血管の抵抗
この両方を見ることで、体の状態をより正しく理解することができます。
日頃から血圧を測る習慣を持ち、
自分の血圧の傾向を知ることが健康管理につながります。
訪問看護では、血圧測定だけでなく、生活習慣や体調の変化にも目を向けながら、
利用者様が安心してご自宅で過ごせるようサポートしています。
バナナの葉訪問看護ステーションでは、
千葉県の市原市・木更津市・袖ケ浦を中心に訪問を行っています。
「これって相談してもいいのかな?」と思うような小さなお困りごとでも、
どうぞ遠慮なくお話しください。
病気のことだけでなく、日々の暮らしの中で感じる不安や悩みにも、
そっと寄り添える存在でありたいと願っています。
利用者様やご家族に寄り添うケアを一緒に届けてくださる仲間も、随時募集しています。
訪問看護が初めての方でも、ブランクのある方でも大歓迎です。
私たちと一緒に、地域の“暮らし”を支えるチームの一員になりませんか?

