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“いびきがひどい”は病気のサイン?~在宅療養と睡眠時無呼吸症候群のおはなし~

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“いびきがひどい”は病気のサイン?
~在宅療養と睡眠時無呼吸症候群のおはなし~

“いびきがひどい”は病気のサイン?~在宅療養と睡眠時無呼吸症候群のおはなし~

2025/05/26

「夜中、呼吸が止まってるみたいで心配です」
「いびきがひどくて、隣で寝ている家族が眠れない」
「日中の眠気が強く、ぼーっとしていることが増えた」
在宅で療養する方から、こういった声を耳にすることがあります。

実はこれ、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」という病気のサインかもしれません。

今回は、あまり知られていない在宅療養と睡眠障害の関係について、
睡眠時無呼吸に注目してやさしく解説します。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?


睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)とは、
眠っている間に呼吸が止まったり、弱くなったりを繰り返す病気です。

医学的には「10秒以上の無呼吸が、1時間に5回以上ある」ことで診断されます。

無呼吸があると…
・脳や身体が酸素不足になる
・深い眠りに入れず疲れが取れない
・日中の眠気.集中力の低下
・夜間頻尿や頭痛の原因にもなる
・長期的には高血圧や心不全、脳梗塞のリスクも上昇 というように、
放っておくと生活の質(QOL)だけでなく命に関わることもある病気です。

特に高齢の方や、心臓・呼吸器の病気をお持ちの方にとっては、
この状態が続くことが大きなリスクにつながります。

在宅療養中の方に多い理由


「病院に通えない方に、そんな検査とか必要?」と思われるかもしれませんが、
実は在宅療養中の方だからこそ気をつけたい理由があります。

① 高齢者に多い
高齢になると気道の筋力が低下し、無呼吸になりやすくなります。
加えて、肥満や持病(高血圧・糖尿病・脳梗塞後など)をお持ちの方も多いため、
リスクは上がります。

② 呼吸器・神経疾患との関連
COPD(慢性閉塞性肺疾患)や神経難病(ALSなど)では、
夜間の呼吸パターンが変化し、SASと類似した状態になることもあります。

③ 終末期・ターミナルケアにおいて
夜間のいびき、呼吸停止、不穏な動きがあっても、
「高齢だから」と見過ごされるケースがあります。
しかし、不快感や不眠を取り除くことは、その人らしい時間を守るケアの一部です。

ご家族が気づく“変化”が大切


ご本人が「眠れていない」「苦しい」と感じていなくても、
そばにいるご家族だからこそ気づける変化があります。

たとえば…
・いびきが大きくなった
・いびきが突然止まり、しばらくしてまた始まる
・寝ているときに息を止めている気がする
・夜中に何度も起きてトイレに行く
・最近、転ぶことが増えた
・昼間にうとうとして話が続かない
・表情がぼんやりして、元気がない

これらはすべて、「呼吸の質」が落ちているサインかもしれません。

訪問看護でできる観察と支援


訪問看護ステーションでは、在宅での体調管理だけでなく、
睡眠に関する気づきや相談を受けることが増えています。

◆ 日中の眠気や注意力低下に気づく
会話中にウトウトする、表情がぼんやりしている、転倒が増えた。
そんなサインがSASと関係している場合もあります。

◆ 夜間の様子を家族から聞き取る
「いびきが突然止まる」「苦しそうに寝ている」「何度も目を覚ます」など、
ご家族の声から病気の兆候に気づくことも多くあります。

◆ SpO₂(酸素飽和度)の記録
訪問時にパルスオキシメーターで測定した値が不安定であれば、
夜間低酸素や無呼吸を疑い、主治医に報告・指示を仰ぐケースもあります。

◆ CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)のサポート
SASの診断がついた場合、CPAPという機器を装着して眠ることで改善が期待されます。
機器の管理・トラブル時の対応・ご家族への使い方説明なども、訪問看護師が担います。

「最近ちょっと気になるんですけど…」という声から、
見えにくい病気の存在に気づくことも多いのです。

「いびきが気になる」から始まる看護


「ただのいびきだから」と思いがちですが、実はその奥に
・呼吸の障害
・心臓や脳への影響
・睡眠の質の低下
・日中の活動量低下
・ご家族の疲労 など、
多くの問題が隠れていることがあります。

在宅療養中は「体を休める時間」がとても大切です。
眠ることが「治療の一部」と言ってもいいくらいです。
だからこそ、訪問看護では
「眠れているか」「朝スッキリしているか」「夜中に何回起きるか」など、
睡眠そのものにも目を向けた看護を心がけています。

CPAPってなに?


もし医療機関で睡眠時無呼吸と診断された場合、
CPAP(持続陽圧呼吸療法)という装置が使われることがあります。
これは寝ている間に鼻にマスクをつけ、空気を送り続けることで、
気道が閉じないようにする機械です。

当ステーションの利用者様でも、CPAPを自宅で使っている方がいらっしゃいます。
訪問看護では、
・機械の使い方の説明
・マスクの装着チェック
・トラブル時の相談対応
・ご家族の不安へのフォロー
などを行いながら、安心して機器を使い続けられる環境づくりをサポートしています。

“よく眠れること”は“安心して暮らせること”


私たちは、在宅療養の支援をしていて改めて感じます。
「眠れている」ことは、「生きる力」につながっている。

夜ぐっすり眠れると、日中も元気が出ます。
転倒や混乱も減り、笑顔が増える方も多いです。
そして、ご家族も安心して眠れます。
呼吸やいびきに不安を抱えながらの介護は、本当に大変です。
だからこそ、眠りに関することを遠慮なく訪問看護に相談していただきたいのです。

「いびきが気になる」「最近よく寝ているのに、なんだか元気がない」
それは、体が出している大切なサインかもしれません。
話すことが難しい方でも、
眠っているあいだの呼吸は、私たちが代わりに見守ることができます。

訪問看護は、
ご本人の体だけでなく、そばで支えるご家族の気持ちにも寄り添うケアです。

眠ることは、からだを整える時間であると同時に、心を癒す時間でもあります。
私たち看護師は、利用者様やご家族が“安心して眠れる環境”を整えるために、
今日もそっと寄り添います。お気軽にご相談ください。

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