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“のどが渇かないから飲まない”は危険信号? ~水分摂取を促す声かけと工夫~

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“のどが渇かないから飲まない”は危険信号?
~水分摂取を促す声かけと工夫~

“のどが渇かないから飲まない”は危険信号? ~水分摂取を促す声かけと工夫~

2025/06/27

高齢者の脱水や熱中症予防でよく聞くのが、
「水分をとってくださいね」という声かけです。
でも実際は、
「のどが渇かないから飲みたくない」
「トイレが近くなるのが嫌」と言って、水分補給を拒む方が少なくありません。

今回は、そうした“飲みたがらない高齢者”にどう声をかければいいのか?
水分補給の心理的なハードルを理解し、無理なく続けられる工夫についてご紹介します。

加齢による「のどの渇き」の感覚低下


高齢になると、体内の水分量が減るうえに、
「のどが渇いた」と感じる感覚自体も鈍くなってきます。
そのため、本人は「足りている」と思っていても、
実際は軽い脱水状態になっていることもしばしば見られます。

この感覚の鈍化には、脳の視床下部(ししょうかぶ)の働きが関係しています。
視床下部は、体内の水分バランスを感知し、
「のどが渇いた」と感じさせる役割を担っています。

しかし、加齢によりこの機能が低下すると、
体内の水分が不足していても適切なタイミングで渇きを感じにくくなり、
水分補給が遅れてしまうのです。

また、「トイレが近くなる」「夜中に何度も起きたくない」といった不安から、
あえて水分を控えてしまう方も多くいらっしゃいます。

このように、“飲まない”のは怠慢ではなく、
身体や気持ちの変化によるものであることを理解しておくことが大切です。

飲まないことで起こるリスク


水分が不足すると、以下のような不調が出やすくなります
・めまいやふらつき(転倒リスクの増加)
・便秘や食欲低下
・脱水による発熱や倦怠感
・認知機能の一時的な低下(ぼーっとする、反応が鈍い)
・尿量の減少や尿路感染症のリスク

とくに夏場は気づかないうちに汗で水分が失われているため、
“のどが渇いた時点で遅い”という意識をもつことが重要です。

訪問看護の現場で見かけるケース


「暑い日でも温かいお茶しか飲まない」
「冷たいものはお腹が痛くなるから嫌」と話される方、
「水を飲んだらトイレが近くなるから、外出前は飲まない」と言う方など、
さまざまな声を聞きます。

たとえば、ある80代のご利用者様は
「暑くても麦茶は飲みたくない。子どもの頃から温かいほうじ茶しか飲まないから」
と笑って話されていました。
その方には、朝食後の習慣として一緒にほうじ茶を淹れながら
「あと一口だけお茶を足しておきましょうか」と声かけすることで、
自然に水分量を増やす工夫を続けています。

中には、「水を飲まされることがストレス」という方もいて、
良かれと思った声かけが逆効果になることもあります。
だからこそ、その方のペースや好みに合わせた“押しつけない工夫”が必要です。

飲みやすくするアイデアと声かけ例


●飲み物そのものの工夫
・冷たいのが苦手 → 常温やぬるま湯にする
・味がないと飲みにくい → 麦茶、ほうじ茶、薄めたスポーツドリンクなど
・「水を飲んで」ではなく「ゼリーどうですか?」「スープ飲みましょうか」
・バナナやみかん、寒天ゼリーなど、“食べてとれる水分”も活用

● 声かけ・関わり方の工夫
・「一緒にお茶にしましょうか?」(行動を共にする)
・「今日はどれが飲みたいですか?」(選択肢を提示)
・「汗かいてないですか?ちょっと口をうるおしましょう」
・「あと一口だけ飲んだら、お薬しましょうね」など“ついで補給”を活用

「○○しなきゃ」と押すよりも、
本人の気持ちに寄り添ったきっかけ作りが効果的です。

ご家族ができる工夫


・食事と一緒に飲み物を出す(食事からの水分も大切)
・朝、昼、夕など1日6~8回に分けて促す
・見える場所に飲み物を置く(手に取りやすく)
・利尿作用のある飲料(コーヒーなど)ばかりにならないよう意識
・夜間の室温調整や扇風機、冷房の使用にも配慮

また、「昨日どれくらい飲めたかな?」など、
飲水量を一緒に振り返ることで習慣化につながります。

ご家族が気をつけたい“NG例”


ご家族の「なんとか飲んでほしい」という気持ちはとても大切です。
でも、その思いが強すぎると、逆にご本人がストレスを感じてしまうことも。

以下のような対応には注意が必要です
・「なんで飲まないの?」と責めるような言い方
・無理に冷たい飲み物をすすめる(腹痛や不快感の原因に)
・コップを無理に口元に持っていく
・「飲まないと倒れるよ」と過度に脅す

これらは、本人の自主性や尊厳を傷つけたり、
反発心を生んだりすることがあります。

「飲ませなきゃ」ではなく、「どうしたら自然に飲んでもらえるか」を
一緒に考える姿勢が、長い目で見て良い結果につながります。

高齢者の水分摂取は、
「のどが渇く→飲む」という自然な流れが成立しづらくなっています。
だからこそ、“習慣”としてサポートすることがとても大切です。

訪問看護では、その方の生活や思いに寄り添いながら、
「続けられる水分補給」を一緒に探していきます。

「どうしても飲んでくれない」
「いつも脱水気味で心配」など、気になることがあれば、
ぜひお気軽にご相談ください。

この夏も、みんなで安心して過ごせるよう、
ちょっとした工夫と声かけで一緒に乗り切っていきましょう。

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