高齢者の転倒予防に大切な「足の指の力」とは?
2026/04/13
高齢者の転倒予防と「足の指の力」
高齢者のケガの原因として多いのが「転倒」です。
在宅生活を送る中で、
「ちょっとした段差でつまずいた」
「以前より歩くのが不安になった」 と感じる方も少なくありません。
実際に利用者様の中にも、転倒をきっかけに骨折し、
その後の生活が大きく変わってしまったケースがあります。
特に大腿骨(太ももの骨)の骨折は、入院や長期の安静につながり、
そのまま活動量が低下してしまうこともあります。
転倒予防というと、一般的には
・下半身の筋力トレーニング
・バランス訓練
・歩行練習
などをイメージする方が多いのではないでしょうか。
もちろんこれらも大切ですが、
実はもう一つ注目されているポイントがあります。
それが 「足の指の力」 です。
足の指で地面をつかむ力は 「足趾力(そくしりょく) 」と呼ばれ、
歩行やバランスに深く関わる力だといわれています。
今回は、転倒予防の視点から「足趾力」についてご紹介します。
足趾力とは?歩くときに重要な「足の指の働き」
足趾力とは、足の指で地面をつかむ力のことです。
普段はあまり意識することがありませんが、私たちが立ったり歩いたりするとき、
足の指は体を支える大切な役割を担っています。
例えば、歩くとき足は次のような流れで動いています。
1 かかとが地面につく
2 足の裏全体で体重を支える
3 足の指で地面を押して前に進む
この最後の「押し出す動き」で、足の指が大きく働いています。
また、足の指は バランスを保つセンサーのような役割もしています。
体がぐらっとしたとき、足の指が踏ん張ることで転倒を防ぐことがあるのです。
しかし足趾力が弱くなると、
・つまずきやすくなる
・バランスを崩しやすくなる
・歩幅が小さくなる
といった変化が起こり、転倒のリスクが高まる可能性があります。
足趾力が弱くなる原因とは
足の指の力は、年齢とともに低下しやすいと言われています。
主な原因としては、次のようなものがあります。
① 運動量の低下
活動量が減ると、足の筋肉も使われにくくなります。
特に足の指は意識して使わないと、筋力が落ちやすい部分です。
② 靴の影響
サイズが合っていない靴や、指が動かしにくい靴を履いていると、
足の指の動きが制限されてしまいます。
③ 足の変形
外反母趾などの足の変形があると、
指の力が十分に発揮できない場合があります。
④ 足の指を使う習慣が少ない
日常生活の中で、足の指を意識して動かす機会は意外と少ないものです。
そのため、知らないうちに筋力が低下していることもあります。
訪問看護で利用者様の足を見ると、
「足の指がうまく開かない」
「指が重なっている」
といったケースに出会うこともあります。
こうした変化も、転倒リスクを考えるうえで見逃せないポイントです。
自宅でできる簡単チェック「タオルギャザー」
足趾力は、自宅でも簡単にチェックすることができます。
よく知られている方法が 【タオルギャザー 】で方法はとてもシンプルです。
1 床にタオルを広げて置く
2 椅子に座り、足をタオルの上に置く
3 足の指でタオルをつかみ、手前に引き寄せる
足の指を使ってタオルをたぐり寄せることができれば、
足の指の力は比較的保たれていると考えられます。
反対に、
・うまくタオルをつかめない
・指がほとんど動かない
といった場合は、足趾力が低下している可能性があります。
もちろん個人差もあるため、あくまで目安ではありますが、
足の状態を知る一つの参考になります。
家でできる簡単な足趾トレーニング
足の指の力は、簡単な運動で維持・改善が期待できます。
自宅でも取り入れやすい方法をいくつかご紹介します。
① タオルギャザー
チェック方法として紹介した運動は、そのままトレーニングにもなります。
毎日数分行うだけでも、足の指の筋肉を使う良い練習になります。
② 足指じゃんけん
足の指でグー・チョキ・パーを作る運動です。
・グー:指を丸める
・パー:指を大きく開く
・チョキ:親指と他の指を分ける
最初はうまく動かないこともありますが、
続けることで動きやすくなる方も多いです。
③ 足の指で物をつかむ
ティッシュや小さなタオルなど、軽いものを足の指でつかむ練習もおすすめです。
どの運動も、無理のない範囲で継続することが大切です。
訪問看護の現場で感じる「足を見る大切さ」
訪問看護では、血圧や体調の確認だけでなく、
歩き方や足の状態を観察することも大切なケアの一つです。
利用者様から
「最近よくつまずく」
「歩くのが少し怖くなってきた」
という声が聞かれたとき、
筋力やバランスだけでなく、足の状態や足の指の動きを確認することがあります。
転倒予防は、
・筋力
・バランス
・生活環境(段差・手すりなど)
・靴や足の状態
など、さまざまな要素が関係しています。
その中でも「足の指」は見落とされやすい部分ですが、実はとても重要なポイントです。
日常生活の中で、少しだけ足の指にも目を向けてみることが、
転倒予防につながるかもしれません。
足の指を意識することが転倒予防の第一歩
足趾力は普段あまり意識されませんが、歩行やバランスに関わる大切な力です。
高齢者の転倒予防を考えるとき、
・筋力トレーニング
・バランス訓練
・環境調整
だけでなく、足の指の働きにも目を向けることが大切です。
まずは、小さな習慣から始めてみてはいかがでしょうか。
日々のちょっとした運動が、安心して歩ける生活につながることもあります。
バナナの葉訪問看護ステーションでは、
千葉県の市原市・木更津市・袖ケ浦を中心に訪問を行っています。
「これって相談してもいいのかな?」と思うような小さなお困りごとでも、
どうぞ遠慮なくお話しください。
病気のことだけでなく、日々の暮らしの中で感じる不安や悩みにも、
そっと寄り添える存在でありたいと願っています。
また、利用者様やご家族に寄り添うケアを一緒に届けてくださる仲間も随時募集しています。
訪問看護が初めての方でも、ブランクのある方でも大歓迎です。
私たちと一緒に、地域の“暮らし”を支えるチームの一員になりませんか?


