パーキンソン病とともに生きるために~少しずつ進む変化に、訪問看護ができること~
2025/09/29
今回は、「パーキンソン病」について、わかりやすくご紹介します。
「動きがぎこちなくなってきた」
「転びやすくなった」
「字が小さくなった」
そんな日常の小さな変化から、パーキンソン病と診断される方が増えています。
進行性の病気ではありますが、
早期から正しく向き合い、適切な医療とケアを受けながら生活することで、
安心して在宅生活を送ることは十分可能です。
パーキンソン病とは?
パーキンソン病は、脳の中で「ドパミン」という神経伝達物質が減少し、
体の動きに関するさまざまな症状が現れる進行性の神経疾患です。
中高年以降に発症しやすく、利用者様数は年々増加傾向にあります。
主な症状
・手足のふるえ(振戦)
・動作が遅くなる(動作緩慢)
・筋肉のこわばり(固縮)
・バランスがとりにくい(姿勢反射障害)
このほかにも、便秘・立ちくらみ・抑うつ・睡眠障害などの非運動症状が
現れることもあります。
在宅生活でよくある悩み
パーキンソン病の進行に伴い、在宅での生活にも様々な困りごとが出てきます。
・起き上がりや立ち上がりが難しくなる
・歩くときにすくみ足や転倒が起きやすくなる
・薬の効果が切れる時間帯に動けなくなる(オン・オフ現象)
・食事や排泄に時間がかかる
・外出や通院が億劫になる
これらはご本人だけでなく、ご家族の生活にも大きな影響を与えるため、
日常生活を支える工夫と支援が必要になります。
訪問看護でできること
訪問看護では、
パーキンソン病の方の在宅生活を支えるために、以下のようなサポートを行っています。
● バイタルチェック・日常の観察
・体調や症状の変化を定期的に確認
・食事.排泄.睡眠など生活リズムの見守り
・症状の変化を主治医に適宜報告
● 薬の管理と服薬アドバイス
・複雑になりがちな薬の整理とスケジュール管理
・「飲み忘れ」「時間ずれ」を防ぐ工夫
・薬効時間に合わせた日常生活の調整支援
● 身体機能の維持.リハビリ支援
パーキンソン病におけるリハビリでは、
「動かしにくい体を安全に使い続ける」ことが目的になります。
訪問リハビリでは、以下のような支援を行っています。
・関節の拘縮予防や筋力維持を目的としたストレッチや体操
・すくみ足を防ぐためのリズム運動(足踏み、声かけでの歩行誘導)
・立ち上がりや方向転換などの動作練習
・姿勢保持や転倒防止のための動作.環境調整
・嚥下体操や食事時の姿勢指導
理学療法士・作業療法士と連携し、
ご本人の「できる力」を維持・向上できるよう支援しています。
● リハビリ時の工夫グッズ
・すべり止めマット:立ち上がりの安定に
・とって付きのコップ:手のふるえを考慮した食器
・浴室の手すりや椅子:入浴時の安全確保
・簡易歩行補助具:短距離の移動を支える
● ご家族への支援と情報共有
・介助方法のアドバイス(移乗・着替えなど)
・介護負担の軽減につながる環境調整の提案
・心の不安や悩みに寄り添う時間づくり
声かけの工夫で変わる日常
スタッフが工夫している声かけ例
・「右足を前に出してみましょう」など、具体的な指示
・「せーの」で立ち上がりのタイミングを合わせる
・「一緒に数を数えながら歩きましょう」など、リズムにのせた誘導
声かけひとつで、
利用者様が動き出しやすくなったり、不安が和らいだりすることが多くあります。
自主トレのすすめ方と注意点
ご本人やご家族から「自宅で何かできることは?」と聞かれることも多く、
以下のような自主トレを提案しています。
・軽いストレッチや柔軟体操
・呼吸を整えるリズム運動(体軸体操やキッズヨガの要素も)
・簡単な筋力トレーニング(椅子に座っての足上げなど)
ただし、
・転倒リスクの少ない環境で行うこと
・無理せず短時間から始めること
・薬の効く時間帯に合わせること など、リスク管理も大切です。
少しでも「自分らしく」暮らせるように
パーキンソン病は、進行のスピードや症状の出方が人によって異なります。
だからこそ、
「その人に合った生活ペース」や「無理のない目標」を
一緒に見つけていくことが大切です。
「ひとりで着替えができた」
「今日は散歩に行けた」
そんな日々の小さな達成が、生活の質を大きく支えてくれます。
小さな工夫が「安心」につながる
パーキンソン病は、
“その人らしさ”を少しずつ奪っていくように感じられる病気かもしれません。
けれど、医療やリハビリ、周囲の支えによって、「できること」を増やし、
「安心して暮らせる毎日」を作っていくことは可能です。
訪問看護では、利用者様一人ひとりの状態や希望に寄り添い、
無理なく続けられるケアとサポートを提供しています。
市原・木更津・袖ヶ浦で、
パーキンソン病の在宅療養に不安を抱えている方がいらっしゃいましたら、
どうぞお気軽にご相談ください。
訪問看護が、日々の暮らしにそっと寄り添い、前向きな一歩を支えてまいります。


